なぜ今「SNS対策」が飲食店に必須なのか?
SNSで変わる集客構造とユーザー行動
ひと昔前まで、飲食店の集客といえば「食べログ」「ぐるなび」などのグルメサイトや、駅前の看板、チラシ、クーポン誌が主流でした。しかし今や、人々の“店探し”はSNSから始まる時代へと完全にシフトしています。
Instagramで見かけたオシャレなカフェ、TikTokで話題になっていたラーメン店、X(旧Twitter)でバズっていた期間限定メニュー――。こうした情報から、「行ってみたい」が生まれ、「予約・来店」につながっていくのです。
また、Z世代やミレニアル世代を中心に、「Google検索よりSNS検索」を使う人も増加。店名すら知らなくても、“#〇〇グルメ”や“〇〇カフェ”といったハッシュタグ検索でお店が見つかる状況になっています。
つまり、SNS対策をしていない飲食店は、「存在していないも同然」と言われる時代が到来しているのです。
飲食店がSNSを活用する3つのメリット
飲食店がSNSを本格的に活用することで、次のような明確なメリットが得られます。
1. 無料で強力な集客が可能に
SNSは基本的に無料で始められるマーケティングツールです。広告費をかけずとも、投稿の工夫とファン作りによって自然な集客が期待できます。バズ投稿が出れば、月数十万円分の広告効果すら得られることも。
2. 店の「世界観」や「個性」が伝わる
店内の雰囲気、メニューのこだわり、スタッフの人柄…。SNSは文章だけでなく写真・動画・音楽を使って店の空気感を伝えられるため、来店前からファンになってもらうことが可能です。
3. 来店後の再訪・拡散にもつながる
SNSは「集客」だけでなく「リピート」や「紹介」にも効果を発揮します。来店後の感想投稿(UGC=ユーザー生成コンテンツ)が新たな来店動機を生み、“お客様が宣伝担当”になる循環が生まれるのです。
SNS利用者数と年代別傾向(データ引用)
2024年時点でのSNSの利用状況を見てみましょう。
- Instagram:国内アクティブユーザー数は4,500万人以上(Meta Japan調べ)
- TikTok:約1,900万人(デジタルインファクト調査、2023年)
- X(旧Twitter):4,500万人前後(総務省「通信利用動向調査」)
特に20〜30代の利用率は非常に高く、InstagramとTikTokは飲食店探しの「リアル検索エンジン」として若年層に定着しています。また、Xは速報性と拡散性に優れ、イベントや新メニューの案内に向いています。
✅ ワンポイント
総務省の「令和5年 通信利用動向調査」によると、SNSを利用して“飲食店を探す”行動は20代の65%以上が「週1回以上行っている」と回答。これはもはや一部層の行動ではなく、主流の購買行動です。
飲食店における主要SNSの特徴と選び方【Instagram/X/TikTok】
「SNS運用」と一口に言っても、実はSNSごとに役割や向いている業態が異なります。すべてを同じように扱ってしまうと、せっかくの投稿も「誰にも届かない」なんてことに。
ここでは、飲食店にとって特に重要なInstagram/TikTok/X(旧Twitter)の特徴を整理し、それぞれどんな店舗に向いているかを解説します。
Instagram|ビジュアルで惹きつけ、集客導線へ
Instagramは「写真と動画の美しさ」が命。
料理や内装が魅力的に見える飲食店にとって、最大の武器になります。
- 向いている業態: カフェ、スイーツ店、イタリアン、和食、ベーカリーなど
- 主なターゲット: 20〜40代の女性
- 活用法のポイント:
- 「映える」写真(上から撮る/自然光を使うなど)を投稿
- ストーリーズで日々の様子や裏側を発信
- プロフィールリンクから予約・地図へ誘導
また、「ハッシュタグ検索からの発見」が非常に多く、「#恵比寿ランチ」「#カフェ巡り東京」などのキーワードを入れることで、エリア集客に直結します。
💡 Tip:プロフィール設計も重要!
営業時間・定休日・場所・予約リンクを記載することで、発見→検討→来店の導線がスムーズになります。
TikTok|動画時代の新常識、Z世代の認知獲得
「バズると数日で予約満席になる」――TikTokは、そんな現象が珍しくありません。
- 向いている業態: ラーメン店、焼肉、エンタメ性のあるメニュー、居酒屋など
- 主なターゲット: 10〜30代、Z世代中心
- 活用法のポイント:
- 店主やスタッフが出演して「人」を出す
- メニューを“動画映え”させる工夫(チーズ、炎、音)
- BGMやトレンドを活用し、短くテンポよく
特にZ世代は「GoogleよりTikTokで検索する」とも言われるほど。流行感を押さえた発信で、一気に若年層の認知が広がります。
📌 参考:TikTok Japan ビジネス調査(2023)
飲食ジャンルで「投稿を見て実際に来店した」と答えたユーザーは全体の57.3%にのぼりました。
X(旧Twitter)|速報性とエンタメ性を活かす運用
Xはリアルタイム性と拡散性に特化したSNSです。情報の鮮度が高く、瞬間的に多くの人に届けることができます。
- 向いている業態: 居酒屋、ラーメン店、イベント系店舗、ユーモア重視の店
- 主なターゲット: 20〜40代の男女、ビジネスマン層含む
- 活用法のポイント:
- 淡々と営業情報を流すだけでなく、「小ネタ」や「一言ネタ」を交えて人間味を出す
- 急な営業変更、限定メニュー告知などに最適
- 口コミやリポストを活かし、話題を拡散
Xは「親近感」や「日常感」を伝えるのが得意なプラットフォームです。スタッフの人柄やお店の裏話なども喜ばれやすい傾向があります。
各SNSのターゲット層と向き・不向きまとめ
SNS | 向いている店舗 | 主なユーザー層 | 特徴 |
---|---|---|---|
カフェ・ベーカリー・スイーツ | 20〜40代女性 | 写真で「行きたい」をつくる | |
TikTok | 居酒屋・エンタメ系メニュー | 10〜30代、Z世代中心 | バズ→即来店につながる |
X(Twitter) | 居酒屋・ラーメン・日常系 | 20〜40代、男女 | 即時性と拡散力が強い |
SNSごとに性格が異なるからこそ、「すべてに同じ投稿をコピペ」する運用はNGです。
店舗の個性やターゲット層に合わせて、どのSNSに力を入れるかを戦略的に決めることが、成果につながります。
ゼロから始める飲食店のSNS運営ステップ【実践編】
SNS運用を始めたいけれど、「何から手をつけていいかわからない」と悩む飲食店オーナーは多いのではないでしょうか?
ここでは、完全初心者でも今日から実践できるSNS運営のステップを、5段階に分けて解説します。
ステップ①:アカウント設計とプロフィール最適化
SNS運用のスタートはアカウントの“設計”と“見せ方”から始まります。ここをおろそかにすると、せっかく投稿を続けてもフォローや来店につながりません。
✅ プロフィールに必ず入れるべき情報
- 店名(英語表記もあると◎)
- 業態(例:「スペシャルティコーヒー」「ナポリピッツァ専門」など)
- エリア(駅名・地域名を明記)
- 営業時間・定休日
- リンク(予約ページ、Google Map、LINEなど)
さらに、Instagramではハイライト機能を活用し、「メニュー」「アクセス」「予約方法」などをまとめておくと親切です。
💡 実例:Instagramのプロフィール文
渋谷駅3分|ナポリピッツァ専門店🍕
石窯で焼き上げる本格派。ランチ11:30〜/ディナー17:00〜
↓予約・メニューはこちら(リンクツリー)
ステップ②:投稿テーマの決め方とブランディング
SNSは「店の世界観や価値観を伝えるメディア」です。
単なるメニュー紹介ではなく、一貫したテーマとトーンで運用することが大切です。
投稿テーマの一例
- メニュー紹介(新作・おすすめ)
- 店内・外観・内装の写真
- 仕込みや裏側の風景(スタッフの表情など)
- 季節限定・イベント情報
- お客様とのコミュニケーション投稿(UGC紹介)
トーンを統一するとは?
たとえば、落ち着いた雰囲気の割烹なら「余白のあるシンプル投稿」。
陽気なカフェなら「絵文字やカラフルな言葉づかい」など。
写真の色味・キャプションの文体・絵文字の有無も“ブランドの一部”になります。
ステップ③:写真・動画の撮影と加工の基本
SNSの命は「ビジュアル」。プロでなくても、スマホで十分伝わる写真と動画は撮れます。
写真撮影のポイント
- 自然光の時間帯(昼11〜15時)を狙う
- 背景をシンプルにする(余計な物を写さない)
- アングルは「真上」か「45度斜め」が基本
- 撮影前に料理を整える(余白、器の位置など)
加工アプリのおすすめ
- Lightroom Mobile(Adobe):色味の調整が直感的
- VSCO:フィルターが豊富で統一感が出しやすい
- InShot:動画編集、音楽追加にも対応(TikTok前提なら◎)
✅ ポイント:世界観の統一
投稿全体を見たときに「色味やトーンが統一されている」と、それだけで信頼感が増します。
ステップ④:ハッシュタグ・投稿タイミングの戦略
どれだけ良い投稿をしても、見られなければ意味がありません。
ハッシュタグと投稿時間の最適化で「見つけられる投稿」を増やしましょう。
ハッシュタグの設計例(Instagram)
- 固有タグ:「#店名」「#エリア+業態(#渋谷カフェ)」
- 人気タグ:「#今日のランチ」「#カフェ巡り」「#スイーツ部」など
- 季節タグ:「#春限定スイーツ」「#梅雨ごはん」など
1投稿に10〜15個までが推奨です。使いすぎるとスパム扱いされることもあるので注意しましょう。
投稿タイミングのコツ
- 昼休み前(10:30〜11:30)
- 仕事帰りの時間帯(18:00〜20:00)
- 週末前(木曜・金曜)に週末イベント情報を投稿
ステップ⑤:コメント対応とファンづくり
SNSは“片思い”では続きません。
ユーザーとの「双方向コミュニケーション」こそがファン化の鍵です。
- コメントやDMにはできるだけ即レスポンス
- 「いいね」やフォロー返しで距離を縮める
- リポスト(UGC)に感謝を伝える
また、「SNSでコメントくれた方にドリンク1杯無料」などインセンティブを設けるのも効果的。
常連やファンとの“つながり資産”が、安定した集客につながっていきます。
SNS施策を「売上」につなげるためにすべきこと
SNS運用の目的は「フォロワー数を増やすこと」ではありません。
本来のゴールは来店数の増加、リピート率の向上、そして売上の向上にあります。
ここでは、SNSを“フォローされるだけの存在”ではなく、「お金を払ってもらえる行動」へとつなげるための具体的な施策を紹介します。
フォロワー数より来店率を重視
「フォロワーが1万人いるのに、店がガラガラ」というケースは珍しくありません。
数字だけを追っていても意味はなく、重要なのは“リアルな来店につながる投稿”ができているかどうかです。
来店率を高める3つの視点
- 地名・最寄駅を毎回入れる(例:「恵比寿ランチ」「中目黒グルメ」など)
- 投稿内で「予約方法」「営業時間」「店への行き方」を明記
- 来店の動機を作る(期間限定/先着特典/平日限定割引など)
フォロワー1,000人でも、10%が来店すれば月100人の集客です。
SNSは「質と動機のあるフォロワー」を作ることが、売上に直結します。
ストーリー・リール・ライブの活用
Instagramのストーリーやリール、TikTok、Xスペース(音声)などは「一時的な注目」や「拡散」に非常に強いツールです。うまく活用すれば、キャンペーンや新メニューの情報が爆発的に広がります。
ストーリーの活用アイデア
- 「本日のおすすめ」や「混雑状況」を毎日発信
- クイズやアンケートで参加型に
- ハイライト保存で常設情報化
リール(短尺動画)で使えるネタ
- メニュー紹介(作る様子を早送り)
- スタッフの1日密着
- 常連さんのコメント紹介
ライブ配信の可能性
- オープン前の厨房中継
- 予約が取れない店の裏側公開
- 視聴者限定クーポンの配布
✅ データで見る効果
Meta社によると、Instagram上の購入行動のうち約60%はストーリー経由とされ、ライブ配信後に商品やサービスの購入率が1.9倍に跳ね上がるケースも報告されています。
SNS×予約導線(LINE、Google、TableCheckなど)
SNSは認知や興味を引くだけでなく、「予約行動」へつなげる導線づくりが不可欠です。
具体的な予約導線の作り方
- Instagramのプロフィールリンクに「予約ページ」や「Googleビジネスプロフィール」へのURLを貼る
- LINE公式アカウントと連携し、友達追加でクーポンを配布
- TableCheckやぐるなびなどの予約ツールと連携して、スムーズに予約完了まで導く
特にLINE公式アカウントは、来店後の再訪促進にも有効です。クーポン配信やイベント告知で、フォロワーを“常連客”に育てられます。
UGC(ユーザー投稿)の仕掛け方と促進方法
ユーザーのSNS投稿(UGC=User Generated Content)は、最も信頼性の高い販促手段です。友人やフォロワーの投稿を見て「行きたい」と感じる心理効果は、広告の数十倍。
UGCを促す4つの方法
- 店内に「#ハッシュタグ」の案内POPを設置
- リポストするときにしっかり感謝を伝える
- 「#今日の◯◯賞」として店内掲示などでフィーチャー
- SNS投稿で○○プレゼント(例:ドリンク1杯無料)などの特典設定
💡 実例:UGC成功事例
ある都内のクラフトビール店では「#〇〇ビールチャレンジ」というタグを展開。
投稿数は1ヶ月で300件を超え、売上が前年比150%アップしたという実例もあります。
UGCは、自分の店の情報を“他人の口”で伝えてもらう最強の施策。ファンを巻き込む仕組みづくりこそ、売上アップの秘訣です。
よくあるSNS運用の失敗例とその対策
SNSを始めてみたけれど「効果が出ない」「途中で止まってしまった」という声は少なくありません。
ここでは、飲食店が陥りがちなSNS運用の失敗例を紹介しながら、具体的な改善策を解説します。
フォロワー稼ぎに終始してしまう
フォロワー数が多ければ多いほど良い──。
その考えは間違いではありませんが、「誰に向けてフォローしてもらうか」がより重要です。
よくある失敗
- ハッシュタグを乱用してとにかく“いいね”を集める
- 他店舗やインフルエンサーのフォロワーを大量にフォローして「返してもらう」フォロー作戦
- プレゼントキャンペーンで“とりあえずフォロー”を集める
これらは一時的に数字が伸びても、お店に来てくれる人ではない=売上につながらないことが多く、運用のモチベーションも下がってしまいます。
対策
- 「この人に届けたい」という理想のお客様像を明確にする
- 投稿内容をターゲットに合わせて最適化する(写真・言葉・時間)
- 数字よりもエンゲージメント(保存・コメント・シェア)を見る
✅ 目指すべきKPI(指標)
「フォロワー数」よりも「投稿保存数」や「ストーリーへのリアクション数」の方が、来店行動との相関が高い傾向にあります。
投稿頻度が安定しない/運用が属人化
SNS運用の最大の敵は「続かないこと」です。
特に個人店や少人数のチームでは、スタッフの忙しさや担当者の離脱によって更新が止まってしまうケースが多発します。
よくある失敗
- 「週に3回投稿しよう」と張り切るも、2週間で挫折
- 担当者が異動や退職で更新が途絶える
- 写真や文章をその都度考えていて、非効率になり疲弊
対策
- 1週間〜1ヶ月分をまとめて計画・撮影・作成する
- 「毎週〇曜日は投稿する」とルール化し、無理のない頻度に設定
- 複数人で投稿・コメント対応できるよう、チーム共有・マニュアル化
💡 便利ツール:Meta Business Suite、Later、Canva など
これらを使えば、予約投稿・テンプレ作成・分析まで一括管理できます。
炎上・ネガティブ口コミへの対応ミス
SNSは広がる力がある一方で、「炎上」や「悪評拡散」も一瞬です。
特に飲食業は提供時間・接客態度・価格への不満が可視化されやすく、未然防止と迅速な対応が求められます。
よくある失敗
- クレームコメントを削除し、さらに火に油を注ぐ
- スタッフ個人が不用意な発言をしてトラブルに
- 嘘の情報(例:冷凍食品を“手作り”と表現)で信頼を失う
対策
- 批判コメントにもまずは冷静に、事実確認+丁寧な返信
- 店舗アカウントの運用ルールを明文化
- 誇張表現は避け、誠実な発信を意識
また、万が一炎上が発生した場合は、即座に事実を公表し、謝罪・対応策をセットで伝えることが信頼回復の第一歩です。
SNS運用では、「失敗しない仕組み化」と「炎上しない基盤づくり」がカギとなります。
たとえ大きな成果が出るまで時間がかかっても、継続できる土台とマインドセットを整えることが成功への最短ルートです。
プロに頼る?自社運用のまま?SNS代行・コンサルの活用法
SNS運用は「無料でできる集客ツール」として魅力的ですが、効果を出し続けるには専門的なスキルと継続力が必要です。
「時間も人手もない」「やってみたけど成果が出ない」――そんなとき、選択肢となるのがSNS運用の外注=代行・コンサルティングです。
この章では、SNSの外部委託を検討する際に知っておくべきポイントや、自社運用との違い・組み合わせ方について詳しく解説します。
SNS代行・運用コンサルのサービス内容と費用感
SNS代行やコンサルといっても、サービス内容は業者によってさまざまです。
主なメニューは以下のように分類されます。
主なサービス内容
項目 | 内容例 |
---|---|
投稿作成代行 | 写真撮影、キャプション作成、ハッシュタグ設計など |
アカウント運用代行 | 投稿の予約配信、コメント返信、DM対応など |
プロフィール・設計支援 | 店舗ブランディングやトーン設計、アイコン・バナー作成 |
データ分析・レポート | エンゲージメント分析、改善提案、月次報告など |
広告運用 | InstagramやFacebook広告の設定・改善 |
費用相場(目安)
- ライトプラン(月3〜4投稿):3万〜5万円程度
- 標準プラン(月8〜12投稿+分析):7万〜15万円
- 撮影・動画編集付きフルパック:20万円〜
✅ 費用対効果の判断ポイント
「外注費=広告費」と考えたときに、SNS経由の来店・売上で回収できるかを試算すると判断しやすくなります。
自社運用との違い・ハイブリッド運用のススメ
「すべて丸投げ」「すべて自分たちで」ではなく、一部だけ外注する“ハイブリッド型”運用も現実的な選択肢です。
それぞれの特徴
運用方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自社運用 | コストが抑えられる/店舗の雰囲気がリアルに出る | 時間とスキルが必要/属人化しやすい |
完全外注 | 安定したクオリティと継続が可能 | 費用がかかる/投稿が“機械的”になりがち |
ハイブリッド | 費用を抑えつつ、専門性も活かせる | 連携や管理体制の構築が必要(ルール設定など) |
ハイブリッド運用の例
- 店舗で撮った写真を外部に渡して「投稿文・加工・分析」は外注
- 通常投稿は自社、キャンペーンやリールだけ外注
- 月に一度の「SNS相談+改善案フィードバック」のみプロに依頼
信頼できる業者を見極めるポイント
SNS代行は増加の一途をたどっていますが、中には実績やスキルが曖昧な業者も存在します。
依頼先を選ぶ際は、以下のチェックポイントを押さえておきましょう。
チェックリスト
- 過去に飲食店の運用実績があるか?
- 実際の投稿例やアカウントを見せてもらえるか?
- 改善提案や月次レポートなどPDCAの仕組みがあるか?
- 打ち合わせの頻度や柔軟性(途中修正や緊急時の対応)は?
- 写真・動画撮影スキルも備えているか?
💡 おすすめの相談タイミング
- SNS運用に疲れてきた/マンネリ化している
- 新店舗オープンやリブランディングを控えている
- リールやショート動画を強化したいが、手が回らない
SNSは継続と改善がすべて。だからこそ、無理なく続けられる体制を作ることが第一歩です。
「任せるべきは任せ、店舗でしか出せないリアルは自分たちで伝える」。
そうしたバランス感覚が、効果的で本物の“SNS集客”を実現してくれます。
まとめ|SNSは「続ける工夫」と「設計」がすべて
SNS対策を始めた飲食店の多くがぶつかる壁は、「続かない」「効果が見えない」「何をすればいいか分からない」といった悩みです。しかし、それは才能の有無ではなく、「戦略」と「仕組み」が整っていないだけかもしれません。
SNSは“無料の広告塔”ではなく“戦略ツール”
SNSはたしかに無料で始められますが、「なんとなく投稿しているだけ」では効果は出ません。
正しいターゲット設定、写真や投稿内容の質、発信の頻度、そして来店・売上につなげる導線設計――。
これらすべてが噛み合って初めて、SNSは「集客装置」として機能します。
店舗の個性を軸にした発信が集客を生む
どんなにフォーマット化されたSNS運用であっても、飲食店の魅力の根本は「人」と「体験」です。
他の店と違うあなたのお店の個性・世界観・こだわりを、どうSNSに乗せて届けるか。
そこに共感や関心を持ったお客様が、店に足を運んでくれるのです。
✅ 記録より、記憶に残る投稿を
メニューや営業時間だけでなく、「なぜこの料理を出しているのか」「お客様とのエピソード」など、“物語”のある投稿が共感を呼びます。
明日から取り組める3つの実践ポイント
最後に、これまでの内容を踏まえて「今すぐ始められるSNS改善ポイント」を3つにまとめました。
- アカウントのプロフィールを見直す(営業時間・予約リンク・エリア)
- 投稿テーマを3つ決めて、週1で投稿予約する
- UGCを促すPOPやハッシュタグを店内に設置する
どれも特別な機材やスキルは必要ありません。
“できることから確実に、無理なく続ける”ことが、SNS成功の第一歩です。