なぜいま「接客英語」が必要なのか?インバウンド時代の飲食店対応力
訪日外国人客の増加と“現場の混乱”
「すみません、英語わかりません……」
そう言ってフリーズしてしまう新人スタッフ。慌ててベテランがフォローに入る——。
こんな光景、コロナ禍以降、外国人観光客が戻ってきた今、全国の飲食店で頻発しています。2023年から2025年にかけて、訪日外国人客数はV字回復し、2024年にはコロナ前の水準を超える月も。特に東京・京都・大阪といった都市部だけでなく、地方都市や観光地にもその波は及んでいます。
しかし、現場では「英語対応は誰がやるのか?」という課題が依然として解決されていません。英語を話せるスタッフが限られていたり、対応が属人的になっていたり——。こうした背景から、「誰でも使える英語フレーズの整備」や「マニュアル化」が急務となっています。
特に新人スタッフやアルバイトが多い店舗では、“英語対応の心理的ハードル”を下げる工夫が欠かせません。
実際、「注文を聞かれたけど何を言ってるか分からない」「料理の説明を求められて困った」という声は多く聞かれます。これらはお客様にとっても、スタッフにとってもストレスです。そしてそれが、クチコミの低評価やリピート率の低下につながる可能性すらあるのです。
英語が完璧である必要はありません。
しかし、“最低限伝わる英語”を準備しておくことが、いま飲食店に求められています。
観光庁や国の多言語推進施策も追い風
国もこの課題を見過ごしてはいません。観光庁は2024年に「飲食施設におけるベジタリアン・ヴィーガン・ムスリム旅行者対応の手引き」を公表し、多様な文化・宗教背景を持つ観光客に向けた案内整備を推進しています。
この手引きでは、単なる料理名の翻訳だけでなく、食材説明・アレルゲン表記・ベジ・ハラールの分類といった情報を、「英語・多言語で明確に伝える」ことの重要性が強調されています。
また、国土交通省も「多言語対応の強化」を政策として位置づけ、飲食店や観光事業者に対してツール導入や教育プログラムの活用を呼びかけています。
つまり、英語接客は「やっておいた方がいい」ではなく、「やるべき標準対応」となりつつあるのです。
このような国の流れを活用し、英語接客を社内で仕組み化すれば、補助金の対象になったり、観光施設としての信頼性もアップする可能性があります。
英語が苦手でも大丈夫!この記事の使い方と構成ガイド
英語に自信がなくても“これだけ覚えれば安心”
「英語なんて学生時代以来、全然触れていない…」
そんな方でも安心してください。このガイドは、“英語が得意でない飲食店スタッフ”にこそ役立つよう設計しています。
今回紹介するフレーズはすべて、現場で実際に使われている“定型パターン”です。
難しい文法や発音を覚える必要はありません。中学英語レベルでも、笑顔とシンプルな言葉だけでしっかり伝わります。
たとえば、「いらっしゃいませ」は
➡ “Hello! Welcome.” で十分。
「お決まりでしたらお伺いします」は
➡ “Are you ready to order?” という定番フレーズで対応できます。
RareJob や Bizmates でも強調されているように、“完璧を目指すより、伝わることが大切”なのです。
また、この記事では可能な限りカタカナ発音ガイドもつける予定なので、口に出しやすく、自信を持って話せるようになります。英語が怖い…と感じている人も、「これくらいなら言えるかも」と感じられるはずです。
シーン別フレーズ+使い方のミニ解説つきで即実践
本記事の最大の特徴は、「シーン別に厳選した90フレーズ」と、「現場での使いどころ解説」です。
英語学習の記事にありがちな、
「このフレーズ、実際どこで使うの?」
「これ、レストランでは使わないんじゃ…?」
といった“ズレ”を極力なくすよう、飲食店の現場経験をもとに構成しています。
たとえば、
- 外国人観光客が入店してくる
- メニューを見て戸惑っている
- 注文を取りたいけど不安そう
- お会計で迷っている
…そんなときに、どのフレーズをどう使うかがひと目でわかるようにしています。
加えて、簡単なアレンジ例や言い換え表現も紹介するので、「言葉に詰まったときの引き出し」としても活用できます。
このあと紹介するフレーズ集は、印刷して店に貼っておいたり、スタッフ研修の教材としても使える構成です。「現場で使える・すぐ使える・みんなで使える」がこの記事のコンセプトです。
保存版|飲食店の英語接客フレーズ90選【シーン別まとめ】
このセクションでは、飲食店スタッフが現場で本当に使うシーン別の英語フレーズを90個紹介します。
それぞれのフレーズには、日本語訳・カタカナ発音・ワンポイント解説も添えています。
英語が苦手な方も、ぜひ1日1フレーズから覚えてみてください。
1. 来店時のあいさつ・ご案内(10選)
英語フレーズ | カタカナ発音 | 解説 |
---|---|---|
Hello! Welcome. | ハロー!ウェルカム | 基本のあいさつ。笑顔と一緒に。 |
Table for two? | テイブル フォー トゥー? | 来店人数の確認。指で人数を示すと◎ |
How many people? | ハウ メニー ピープル? | 「何名様ですか?」の基本表現 |
This way, please. | ディス ウェイ プリーズ | 案内時に自然に使える一言 |
Please wait to be seated. | プリーズ ウェイト トゥ ビー スィーテッド | 混雑時などで案内まで待ってもらう時に便利 |
Would you like a table or a counter seat? | ウッジュー ライク ア テイブル オア ア カウンター シート? | 席の希望を尋ねる丁寧な表現 |
Smoking or non-smoking? | スモーキング オア ノン・スモーキング? | 喫煙/禁煙の確認(近年は非対応店も多いので注意) |
Here’s the menu. | ヒアズ ザ メニュー | メニューを渡す時の自然な言い方 |
Please enjoy your meal. | プリーズ エンジョイ ヨア ミール | 席についたお客様へのひと声として◎ |
Let us know if you need anything. | レッタス ノウ イフ ユー ニード エニシング | 気遣いのニュアンスを伝えられる万能フレーズ |
2. 注文を取るときのフレーズ(15選)
英語フレーズ | カタカナ発音 | 解説 |
---|---|---|
Are you ready to order? | アー ユー レディ トゥ オーダー? | 「ご注文はお決まりですか?」の定番表現 |
May I take your order? | メイ アイ テイク ヨア オーダー? | 丁寧な印象を与える注文フレーズ |
What would you like to drink? | ワット ウッジュー ライク トゥ ドリンク? | 先にドリンクを聞きたいときに |
Would you like anything to drink first? | ウッジュー ライク エニシング トゥ ドリンク ファースト? | 食前ドリンクの提案として自然 |
Would you like the same as last time? | ウッジュー ライク ザ セイム アズ ラスト タイム? | リピーターに喜ばれる一言(顔を覚えていれば◎) |
Would you like to try today’s special? | ウッジュー ライク トゥ トライ トゥデイズ スペシャル? | おすすめの提案に |
One moment, please. | ワン モーメント プリーズ | 忙しいときの“少々お待ちください” |
Sorry, we’re out of that item. | ソーリー、ウィア アウト オブ ザット アイテム | 売り切れ時の丁寧な伝え方 |
Would you like it spicy or mild? | ウッジュー ライク イット スパイシー オア マイルド? | 辛さの選択を聞くときに |
Do you have any food allergies? | ドゥー ユー ハヴ エニ フード アレジーズ? | 安全のために重要な質問 |
Can I get you anything else? | キャナイ ゲット ユー エニシング エルス? | 追加注文を促すときに便利 |
That comes with a salad. Is that okay? | ザット カムズ ウィズ ア サラダ。イズ ザット オーケー? | セット内容の確認として活用 |
Do you need more time? | ドゥー ユー ニード モア タイム? | 注文を急かさずに確認できる表現 |
I’m sorry, we don’t have that today. | アイム ソーリー、ウィ ドント ハヴ ザット トゥデイ | 限定メニューや売り切れの丁寧な伝え方 |
Thank you. I’ll bring it right away. | サンキュー。アイル ブリング イット ライト アウェイ | 注文後の一言として印象アップ |
3. メニューの説明・おすすめの伝え方(15選)
英語フレーズ | カタカナ発音 | 解説 |
---|---|---|
This is our most popular dish. | ディス イズ アワー モースト ポピュラー ディッシュ | 「一番人気です」とおすすめする時に◎ |
It’s a Japanese-style grilled chicken. | イッツ ア ジャパニーズ スタイル グリルド チキン | 和食を説明するときの具体例 |
It comes with rice and miso soup. | イット カムズ ウィズ ライス アンド ミソ スープ | セット内容を説明するときに便利 |
This dish contains beef and vegetables. | ディス ディッシュ コンテインズ ビーフ アンド ベジタブルズ | 食材構成の基本説明に |
It’s not spicy. | イッツ ノット スパイシー | 辛くない料理の説明に安心感を |
It’s a little bit spicy. | イッツ ア リトル ビット スパイシー | 「少しだけ辛いです」と伝える表現 |
You can choose from three sauces. | ユー キャン チューズ フロム スリー ソーシズ | ソースの選択肢があるときに |
Would you like it hot or cold? | ウッジュー ライク イット ホット オア コールド? | うどんやお茶などの温度選択で使える |
It’s served with a dipping sauce. | イッツ サーヴド ウィズ ア ディッピング ソース | つけダレがある料理で |
The texture is soft and juicy. | ザ テクスチャー イズ ソフト アンド ジューシー | 食感を表現したいときに使える |
This is vegetarian-friendly. | ディス イズ ベジタリアン フレンドリー | ベジタリアンに向けた表記で◎ |
We use no pork in this dish. | ウィ ユーズ ノー ポーク イン ディス ディッシュ | 宗教・文化的配慮に関わる一言 |
You can choose the portion size. | ユー キャン チューズ ザ ポーション サイズ | 大盛・小盛の対応時に便利 |
It’s freshly made to order. | イッツ フレッシュリー メイド トゥ オーダー | 注文ごとに作ることをアピール |
Would you like a recommendation? | ウッジュー ライク ア レコメンデーション? | 積極的におすすめしたいときの入り口表現 |
4. アレルギー・宗教対応の英語(10選)
英語フレーズ | カタカナ発音 | 解説 |
---|---|---|
Do you have any food allergies? | ドゥー ユー ハヴ エニ フード アレジーズ? | 基本中の基本。「アレルギーはありますか?」 |
This dish contains peanuts. | ディス ディッシュ コンテインズ ピーナッツ | 含まれるアレルゲンを明示 |
This is gluten-free. | ディス イズ グルテン フリー | グルテンフリー表記は海外では重要 |
This dish is made without eggs. | ディス ディッシュ イズ メイド ウィズアウト エッグズ | 卵不使用と伝える丁寧な表現 |
Is chicken okay for you? | イズ チキン オーケー フォー ユー? | ベジタリアンかどうかを確認する際に |
We don’t use pork in this dish. | ウィ ドント ユーズ ポーク イン ディス ディッシュ | ハラール配慮に使える一言 |
This is suitable for vegetarians. | ディス イズ スータブル フォー ベジタリアンズ | ベジタリアン対応メニューの紹介に |
I’m sorry, we cannot guarantee no cross-contamination. | アイム ソーリー、ウィ キャノット ギャランティー ノー クロス コンタミネーション | 厳密なアレルゲン対応が難しい時のリスク告知 |
We can make it without dairy. | ウィ キャン メイク イット ウィズアウト デイリー | 乳製品抜きの対応を提案する場合に |
Please check this allergy information card. | プリーズ チェック ディス アレジー インフォメーション カード | 表で説明する場合に使える表現(準備しておくと◎) |
5. 提供時の声かけ・様子伺い(10選)
英語フレーズ | カタカナ発音 | 解説 |
---|---|---|
Here you are. | ヒア ユー アー | 「どうぞ」の定番表現。料理提供時に自然に使える一言 |
Enjoy your meal. | エンジョイ ヨア ミール | 「ごゆっくりどうぞ」のニュアンス。笑顔とセットで◎ |
This is your [dish name]. | ディス イズ ヨア(料理名) | 提供時に料理名を伝えると安心感アップ |
Is everything okay? | イズ エブリシング オーケー? | 食事中の様子伺いに最適。タイミングは食べ始めて少し経った頃に |
Do you need anything else? | ドゥー ユー ニード エニシング エルス? | 追加オーダーを促すシンプルな表現 |
I’ll be back to check on you later. | アイル ビー バック トゥ チェック オン ユー レイター | 混雑時など、一度様子を見ると伝えるときに便利 |
Please be careful, it’s hot. | プリーズ ビー ケアフル、イッツ ホット | アツアツ料理を提供する時の注意喚起 |
Let me know if you need anything. | レット ミー ノウ イフ ユー ニード エニシング | 積極的な気遣いが伝わる万能フレーズ |
Would you like a refill? | ウッジュー ライク ア リフィル? | ドリンクやお茶のおかわり確認に(無料なら特に◎) |
How is everything? | ハウ イズ エブリシング? | 「お口に合いますか?」に近い柔らかい表現。フレンドリーな接客に |
6. お会計・お見送りの英語(10選)
英語フレーズ | カタカナ発音 | 解説 |
---|---|---|
Are you ready for the check? | アー ユー レディ フォー ザ チェック? | 「お会計よろしいですか?」の丁寧な確認表現 |
Would you like the bill? | ウッジュー ライク ザ ビル? | 「伝票をお持ちしましょうか?」という意味合い |
I’ll bring the check. | アイル ブリング ザ チェック | 会計に行くときの一言 |
Please pay at the register. | プリーズ ペイ アット ザ レジスター | レジ会計の場合に使える案内 |
You can pay by cash or card. | ユー キャン ペイ バイ キャッシュ オア カード | 支払い方法を案内する時に便利 |
Here is your change. | ヒア イズ ヨア チェンジ | お釣りを渡す時の定番フレーズ |
Would you like a receipt? | ウッジュー ライク ア レシート? | レシートの有無を聞く際に |
Thank you very much. | サンキュー ベリー マッチ | 会計後の基本フレーズ。笑顔と共に |
Have a nice day! | ハヴ ア ナイス デイ! | 店を出るお客様への爽やかな一言 |
We hope to see you again soon. | ウィ ホープ トゥ シー ユー アゲイン スーン | リピート促進の気持ちが伝わる温かい表現 |
7. トラブル・謝罪対応(10選)
英語フレーズ | カタカナ発音 | 解説 |
---|---|---|
I’m sorry for the wait. | アイム ソーリー フォー ザ ウェイト | 提供が遅れたときなどのお詫びに |
Sorry, we made a mistake. | ソーリー、ウィ メイド ア ミステイク | 注文ミスや提供ミスへの率直な謝罪 |
Let me fix that right away. | レット ミー フィックス ザット ライト アウェイ | ミスの後の素早い対応を約束する表現 |
I’ll check with the kitchen. | アイル チェック ウィズ ザ キッチン | 確認の時間をもらう丁寧な言い回し |
We’re terribly sorry. | ウィア テリブリー ソーリー | フォーマルかつ深い謝罪の場面で使う表現 |
Thank you for your patience. | サンキュー フォー ヨア ペイシェンス | お客様の我慢や理解に対する感謝を伝える |
I understand your concern. | アイ アンダスタンド ヨア コンサーン | クレーム対応で「理解を示す」一言として有効 |
Let me talk to my manager. | レット ミー トーク トゥ マイ マネージャー | 権限外の内容は適切に上に繋ぐ表現 |
We’ll make it right. | ウィル メイク イット ライト | 改善・再提供などの姿勢を示す前向きな表現 |
Thank you for letting us know. | サンキュー フォー レッティング アス ノウ | 指摘や意見を受け取るときの丁寧な感謝の言葉 |
8. 軽い雑談・アイスブレイク(10選)
英語フレーズ | カタカナ発音 | 解説 |
---|---|---|
Where are you from? | ウェア アー ユー フロム? | よく使われる定番のアイスブレイク。聞かれることも多い |
Are you enjoying Japan? | アー ユー エンジョイング ジャパン? | 会話のきっかけづくりに最適な一言 |
Is this your first time in Japan? | イズ ディス ヨア ファースト タイム イン ジャパン? | 初来日の方との会話スタートにおすすめ |
What places have you visited? | ワット プレイシズ ハヴ ユー ヴィジテッド? | 他の観光地の話を聞くことで盛り上がりやすい |
How long are you staying? | ハウ ロング アー ユー ステイング? | 滞在期間を尋ねると、旅行話が広がりやすい |
Do you like Japanese food? | ドゥー ユー ライク ジャパニーズ フード? | 食事の場にぴったりの会話トピック |
What did you order? | ワット ディド ユー オーダー? | 注文をきっかけに自然な会話が始まる |
I recommend this dish. | アイ レコメンド ディス ディッシュ | 雑談の中でおすすめを伝えると親しみやすい |
It’s really popular with locals. | イッツ リアリー ポピュラー ウィズ ローカルズ | 地元民に人気、という紹介で信頼感が増す |
Thank you for coming today. | サンキュー フォー カミング トゥデイ | 最後のひと言で気持ちの良い印象を残す |
接客英語の前に知っておきたい“文化の違い”とおもてなしマインド
NG例:「Do you want~?」は失礼になることも?
英語には文法や単語だけでなく、“ニュアンス”や“距離感”の文化的な違いがあります。とくに接客の場面では、この違いを知らずに使ってしまうと、無意識のうちに失礼な印象を与えてしまうこともあります。
たとえば日本人にとってなじみのある「Do you want ~?(~欲しいですか?)」という表現。これは直訳すると自然ですが、英語圏ではやや命令的・ぶっきらぼうに聞こえることがあるため、接客では避けられることが多いです。
代わりに、
- Would you like ~ ?
- May I offer you ~ ?
といった丁寧な聞き方が一般的。
また、言葉だけでなく「間の取り方」や「視線の使い方」も重要です。無言で黙々と接客するスタイルが美徳とされる日本とは異なり、英語圏ではアイコンタクトや笑顔、気さくなひと言が“安心感”や“歓迎されている”という感覚に繋がるのです。
英語よりも「笑顔」「目線」「気遣い」が伝わる武器になる
実は、多くの外国人観光客が日本の飲食店で驚くポイントは、英語力ではなく“接客態度の丁寧さ”や“気配り”です。
たとえ英語が片言でも、
- 笑顔で目を見て話す
- 料理をそっと置いて軽く会釈する
- 席を立つお客様に自然と「Thank you!」と声をかける
——このような態度や所作の積み重ねが、国境を超えて“おもてなし”として伝わるのです。
完璧な言語スキルよりも、「どうすればこの人に快適に過ごしてもらえるか?」というホスピタリティ・マインドこそが、もっとも信頼される接客英語の土台になります。
英語に不安がある方こそ、「話せないからこそ、笑顔と気遣いでカバーする」という意識を持つだけで、外国人のお客様からの評価は驚くほど上がります。
英語接客の成功事例|現場の声から学ぶ“導入のリアル”
導入後に外国人比率が増加!都内レストランの事例
東京都内のある和食店では、英語接客マニュアルとスタッフ向けのフレーズカードを導入したことで、外国人観光客の来店比率が前年比で約30%増加したそうです。
きっかけは、SNSで「英語が通じる日本の居酒屋」として紹介されたこと。外国人観光客は、「英語が通じる」「スタッフが親切だった」という体験に価値を感じ、それをTripAdvisorやGoogleレビューに投稿。それがまた新たな来店を呼び込む好循環となりました。
この店舗では、英語に自信がないスタッフでも安心して使えるよう、シーン別フレーズをレジ横・厨房・ホールに貼り出して運用。これにより「伝えようとする姿勢」が強調され、お客様からは「日本的なおもてなしと、安心感のある英語対応が両立していた」と高評価を得ています。
口コミで「親切」「フレンドリー」が急増した理由
別のカフェでは、「スタッフの英語は完璧ではないけれど、笑顔と努力が伝わって嬉しかった」といった口コミが増えたことで、外国人リピーターが常連化したという事例があります。
ポイントは、完璧を目指すのではなく、“伝える意志”を感じさせる接客。これはまさにFOODISTが強調していた「言葉よりも態度」の価値を証明しています。
さらに、Googleレビューのコメント分析によると、「kind」「friendly」「helpful」というキーワードの出現率が、英語接客導入前後で2倍以上に増加していたとのこと。
こうした実例は、英語が苦手でも臆せず挑戦することの価値を教えてくれます。そしてそれは、売上アップやブランディングにもつながる投資だと言えるでしょう。
今日から始められる!英語力ゼロでも実践できる学習ステップ
無料アプリ・YouTubeでの“音声学習”が効果的
「いざというとき英語が出てこない…」
そんな方におすすめなのが、耳から慣れる“音声学習”です。英語は目で見るだけでなく、音で覚えることで実際の接客で使いやすくなるというメリットがあります。
たとえば以下のような無料ツールが飲食業界では人気です:
- 【アプリ】Duolingo(デュオリンゴ) ➡ ゲーム感覚で英語を学べるアプリ。出勤前や休憩中に5分でも◎
- 【YouTube / 書籍】英語リスニング1000本ノック(NHK監修) ➡ 短い接客英会話に特化。発音確認と意味の理解が同時にできる
- 【YouTube】Real English Conversations / EnglishClass101 ➡ 飲食店の英語会話をロールプレイ形式で視聴可能。現場イメージに近く、実用的
これらのツールはスキマ時間に“耳だけ”で学習できるため、アルバイトやパートスタッフの方にも好評です。
特に「フレーズの“音”と“イントネーション”」に慣れておくと、実際の接客でとっさに使える確率がグッと上がります。
スタッフ間でのロールプレイが最強のトレーニング
とはいえ、どんなに音で覚えても、やはり最後は「声に出して練習」することが鍵です。
効果的なのが、店舗内でのロールプレイ(接客英語の模擬接客)。たとえば…
- 一人が「外国人客」役、もう一人が「スタッフ」役を担当
- メニューの案内から注文、会計まで一連の流れを英語で演じる
- 週に1回、朝礼の5分で実施するだけでも効果抜群!
ロールプレイのポイントは「完璧を目指さない」こと。むしろ間違えたり詰まったりすることで、どこに苦手意識があるのかが見えてくるのです。
また、スタッフ間で練習することで、
- チームの一体感が高まる
- お互いにフォローし合えるようになる
- 英語に対する心理的ハードルが下がる
といった副次的なメリットもあります。
飲食店の英語接客は、個人の能力ではなく“チームの仕組み”でカバーできるもの。だからこそ、「今日から誰でも始められること」が大切なのです。
まとめ|完璧な英語より、伝える姿勢と想いが大切
「英語=接客力の一部」でしかない
英語での接客と聞くと、「難しそう」「自分には無理」と感じる方もいるかもしれません。
けれど、ここまで読んでくださった方ならもうお分かりのはずです。完璧な英語力が必要なわけではないのです。
大切なのは、基本のフレーズを知っていることと、伝えようという姿勢。英語は、あくまでお客様との距離を縮める“ツール”のひとつに過ぎません。
そしてそのツールは、今日からでも、どんなスタッフでも、十分に使えるようになります。
ほんの数フレーズでも言えるようになるだけで、自信が生まれ、接客の質は確実に変わります。
あなたの店が“また来たい”と思われる理由は言葉の先にある
外国人観光客が求めているのは、“ネイティブの英語”ではありません。
彼らが感動するのは、言葉の正しさ以上に、心のこもった接客とあたたかい雰囲気です。
「英語で話しかけてくれて嬉しかった」
「一生懸命伝えようとしてくれたのが伝わった」
そんな小さな体験が、忘れられない日本の思い出として刻まれることも多いのです。
だからこそ、ぜひ今日から、あなたのお店でも一歩踏み出してみてください。
伝えるための英語は、あなたとお客様の距離を縮め、リピーターを生み出す力になります。
F&B Sceneでは、今後も飲食店の現場に役立つ接客ノウハウや英語フレーズを発信していきます。
あなたのお店が、もっと世界に愛される場所になりますように。