「カクテル7デイズ」は、毎年秋に開催される日本最大級のカクテルイベントです。
バーテンダー、カクテルラバー、そしてバー文化を愛するすべての人にとって、この期間は“祝祭”とも言える特別な時間。
2025年のテーマは「IF(もし)」。
「もし、宇宙でカクテルを飲むとしたら?」
「もし、江戸時代にバーがあったら?」
「もし、あなたの記憶が一杯のカクテルになったら?」
そんな“もしも”の世界を、約110ものバーが一杯ずつ表現。
すばらしいバーテンダーたちの感性が生み出す、“ありえたかもしれない一杯”に出会う旅が始まります。
本記事では、イベントの基本情報から注目企画、チケット購入方法、おすすめバー、初心者向けの楽しみ方までを完全ガイド。
「F&B Scene」編集部が、公式情報+業界のリアルな視点をもとに、あなたをこの“カクテルの祭典”へ案内します。
カクテル7デイズ2025とは?(概要とテーマ)
カクテル7デイズは、“カクテルをもっと日常に”という理念のもと2017年にスタートした、日本最大級のカクテルイベントです。
毎年秋に都内各地のバーが参加し、限定カクテルや特別企画を通じて、バーテンダーたちの創造性を広く発信。
国内外のカクテルファンが注目する“バーの祭典”として、東京の夜を象徴する文化イベントへと成長しました。
イベント概要・開催日程・主催情報
2025年の「東京カクテル7デイズ」は、2025年10月16日(木)〜10月26日(日)の11日間にわたって開催されます。
期間中、都内の約110軒のバーが参加し、テーマ「IF(もし)」をもとにした約440種類の限定カクテルを提供予定。
毎年、ホテルバーから隠れ家バー、新進気鋭のバーテンダーが集う新店舗まで、幅広い顔ぶれがラインナップされます。
主催は、バーテンダー専門メディア「Drink Planet」を運営する 株式会社セロリ(Celery Inc.)。
パートナーには、スピリッツブランド・リキュールメーカー・ホテル・飲料企業など、業界を代表する多数の企業が名を連ねています。
(協賛・パートナー一覧はこちら → cocktailbar.jp/partners)
開催エリアは例年通り、渋谷・新宿・銀座・六本木・中目黒など。
“お気に入りの街で一杯”を楽しむもよし、“テーマを追ってはしごする”もよし。
日常の延長線上に、カクテルと物語が交わる特別な時間が広がります。
2025年のテーマ「IF(もし)」とは?
2025年のテーマは「IF(もし)」。
“ありえたかもしれない一杯”を通じて、カクテルの想像力とクリエイティビティを体感するコンセプトです。
「もし、宇宙でカクテルを飲むとしたら?」
「もし、江戸時代にバーがあったら?」
「もし、あなたの記憶が一杯のカクテルになったら?」
そんな“もしも”の世界を、参加する約110軒のバーが一杯ずつのカクテルとして表現します。
バーテンダー一人ひとりの感性が生み出す“物語の一杯”をめぐる旅が、今年のカクテル7デイズの核です。
過去のテーマを振り返ると、
2023年は「Cocktail Trip」として“旅するカクテル”を、
2024年は「w/ MUSIC」として“音楽とカクテルの共鳴”をテーマに掲げました。
そして2025年は、「もしも」という想像の力で、カクテルをさらに芸術的な体験へと昇華させます。
見どころ・注目ポイント
2025年の東京カクテル7デイズは、テーマ「IF(もし)」の名の通り、想像力と遊び心に満ちた“体験型イベント”として進化しています。
単にカクテルを味わうだけでなく、各バーテンダーの感性・背景・物語を通して“文化としてのカクテル”を感じられるのが魅力です。
ここでは、編集部が注目する2つのポイントを紹介します。
① 全国110軒のバーで楽しむ440種類の限定カクテル
東京カクテル7デイズの最大の醍醐味は、街全体がバーになる感覚です。
渋谷・新宿・銀座・六本木・中目黒など、都内の人気エリアで開催され、約110軒の参加バーが、それぞれの「IF(もし)」をテーマにした限定カクテルを提供します。
一杯ごとにストーリーがあり、同じ素材でもバーテンダーによってまったく異なる世界が生まれます。
たとえば――
- 「もしあなたがカクテルメイク中の動画を撮りたいなら」というテーマを掲げた a BAR Sleeping Tales(新宿)。
- 「もしもプロセッコがメキシコを旅して、カクテル『パローマ』と融合したら」という創作を披露する MARTINOTTI Prosecco Bar & Caffè(日本橋)。
- 「もし、果実やハーブが空を飛べたなら」をテーマにした 数寄屋橋サンボア(銀座)。
- そして、「もしもお客様でウルトラマンが来たら…」というユーモアあふれる一杯を用意する Bar OPA Monzennakacho(門前仲町)。
どのバーも、それぞれの“もしも”を一杯のグラスで表現しています。
SNSでも人気を集めるフォトジェニックなカクテルも多く、バーを巡りながら撮影・シェアする楽しみも魅力のひとつ。
まさに“飲むアートツアー”とも呼べる体験です。
② メイン会場「カクテルVILLAGE」体験ガイド
イベント期間中のハイライトとなるのが、「カクテルVILLAGE」。
2025年は「RIDE 天王洲」(東京都品川区東品川2丁目2−24 天王洲セントラルタワー1F キャナルガーデン)で開催されます。
開催日時:
- 10月18日(土)12:00〜18:00
- 10月19日(日)12:00〜17:00
メイン会場では、世界中のスピリッツブランドやリキュールメーカーが一堂に集結。
各ブランドブースでは、アンバサダーやトップバーテンダーによる試飲カクテルの提供や、最新トレンドのスピリッツ体験が楽しめます。
テキーラ、ウイスキー、クラフトジン、プロセッコなど、世界を代表するブランドが軒を連ね、まるで“スピリッツの万博”のような華やかさ。
初心者でも気軽に参加でき、バーテンダーとの会話を通して自分好みの一杯を見つけられるのが魅力です。
屋外の開放的なロケーションにカクテルと笑顔が溶け合う――
まさに、東京の秋を象徴するカクテルフェスティバルです。
参加方法とチケット情報
東京カクテル7デイズ2025に参加するには、「カクテルパスポート(CACKTAIL PASSPORT 2025)」の購入が必要です。
この1冊があれば、都内約110軒の参加バーを巡りながら、イベント限定カクテルやVILLAGE会場を思う存分楽しむことができます。
1. カクテルパスポートの購入方法
販売ページ: https://cocktailbar.jp/7days_2025/
2025年のカクテルパスポートは、前売販売と当日販売の2種類があります。
種別 | 価格(税込) | 販売期間 | 内容 |
---|---|---|---|
前売販売 | 1冊 4,000円/ペア 7,400円/3冊セット 10,800円 | 〜10月8日(水)9:00まで | 公式サイトにて販売 |
当日販売 | 1冊 5,000円 | 10月18日(土)・19日(日) | 会場「RIDE 天王洲」にて販売 |
※公式サイトでの前売り販売は終了しています。
10月12日(日)9:00以後〜17日(金)正午12:00までに予約した方は、
10月18日(土)または19日(日)にVILLAGE会場(RIDE 天王洲)でパスポートを受け取り可能。
なお、10月16日までの郵送対応は不可のため、受け取りは会場にて行われます。
2. カクテルパスポートの特典
カクテルパスポートを購入すると、以下の3大特典が受けられます。
- 参加バーでのイベントカクテルが一律1,300円(税込・サ別)! 通常1,800〜2,000円クラスのカクテルが、パスポート提示で特別価格に。
- 1杯分のクーポン(1,300円相当)付き! 最初の一杯が実質無料になるお得な特典。
- VILLAGE(メイン会場)への入場&試飲体験が無料! 天王洲「RIDE」で開催されるメイン会場にもパスポートで入場可能。 世界中のスピリッツを試飲しながら、ブランド体験を楽しめます。
3. 当日の流れと楽しみ方
カクテルパスポートを受け取ったら、いよいよ“東京カクテルの旅”が始まります。
- 公式サイトのMAPで参加店舗をチェック エリア別・テーマ別で検索し、行きたい店をリストアップ。
- バーでパスポートを提示してオーダー イベント限定カクテルが一律1,300円(税込・サ別)で注文可能。
- SNSで「#東京カクテル7デイズ」を投稿 お気に入りの一杯をシェアすれば、イベントをより楽しめます。
- スタンプを集めて達成特典をゲット 複数店舗を巡ることで、限定グッズがもらえるキャンペーンも予定。
4. 注意点・FAQ(よくある質問)
(参考:公式FAQ)
- 年齢制限: 20歳未満は入場・参加不可(要身分証)。
- パスポートの受け取り: 当日会場「RIDE 天王洲」でのお渡し。郵送対応はなし。
- 支払い方法: 会場・店舗ごとに異なるため、現金・電子決済どちらも準備を。
- 混雑時間帯: 19〜21時台は人気店が集中するため、昼〜夕方の時間帯が狙い目。
- 女性・一人参加: 多くのバーがカウンター中心で、一人飲みでも安心。
このパスポート1冊で、“東京中のバーを旅する11日間”を自由に楽しむことができます。
限定カクテルとの出会いが、あなたの新しいお気に入りの店や一杯を見つけるきっかけになるでしょう。
おすすめ参加バー5選(編集部セレクト)
東京カクテル7デイズ2025に参加するバーの中から、今年特に注目すべき個性派5店舗をピックアップ。
それぞれが「IF(もし)」というテーマを、独自の世界観と哲学で表現しています。
1. Bar Benfiddich(新宿)
新宿西口に位置するBar Benfiddichは、「The World’s 50 Best Bars」でも毎年のようにノミネートされている、日本を代表するクラフトカクテルバー。
オーナーバーテンダーの鹿山博康氏は、自ら育てたハーブやスパイス、薬草を蒸留してカクテルを構築する、“農家バーテンダー”とも呼ばれる存在です。
鹿山氏のカクテルは、単なる一杯ではなく、自然や記憶との対話。
静謐な空間の中で、グラスに広がる香りが物語のように展開します。
世界的評価を受け続けるその理由を、東京で体験できる貴重な一軒です。
2. DBL(広尾)
広尾駅から徒歩数分。
落ち着いた照明と木の温もりに包まれたカウンターが印象的なDBL(ディービーエル)。
カクテルはどれも繊細かつ端正で、味わいの中に和の情緒が漂います。
季節のフルーツや日本の素材を使用し、食文化とお酒の架け橋となるような表現を追求。
一人でもゆったりと過ごせる穏やかな空間で、丁寧に磨かれた“静かな華やかさ”が楽しめます。
3. Fuglen Tokyo(代々木公園)
ノルウェー・オスロ発のカフェ&バーとして知られるFuglen Tokyo。
昼はスペシャルティコーヒー、夜はクラフトカクテルを提供する“二面性”が魅力です。
北欧ミッドセンチュリー家具に囲まれた空間は、まるでオスロのリビングをそのまま東京に移したよう。
夜のバータイムでは、コーヒーやスピリッツ、果実を巧みに組み合わせた独創的なカクテルが並びます。
自然光が差し込む昼と、温かな灯りに包まれる夜――
そのどちらも心地よく、美しい“暮らしの延長にあるバー”として愛されています。
4. The SG Tavern(丸の内)
丸の内のメインストリート沿いにあるThe SG Tavernは、世界的バーテンダー・後閑信吾氏率いるSG Groupが手がける“カクテルダイニング”。
「薩摩と英国をつなぐ」をコンセプトに、 “NARISAWA” 成澤由浩シェフが監修したシグネチャフードと、和酒・洋酒を用いた革新的なカクテルを提供しています。
海外の名店にも通じる洗練された雰囲気の中で、焼酎や味噌、昆布など日本の素材を使用したドリンクを楽しむことができます。
ダイニングとしての満足度と、バーとしての創造性を両立させた、“渋谷の夜の新しい形”を体現する存在です。
5. The Condition Green(中目黒 / 池尻大橋)
The Condition Greenは、ワームウッドをはじめとする十数種のハーブから造られる蒸留酒「アブサン」をメインに使用しているバー。
温かみのある店内には、天井まで届く棚に100種類以上のアブサンがずらりと並んでいます。
バーテンダー・前所優香氏が、クラシックカクテルをアレンジし、個性的かつ様々な味わいのカクテルを提供。
アブサンは平均でアルコール度数65度前後と、一般的には“上級者向け”のスピリッツですが、The Condition Greenではその個性をやさしく引き出したカクテルが多く揃います。
初めてアブサンを体験する人や、バー初心者にもおすすめできる一軒です。
それぞれの店が持つ世界観はまるでジャンルの違うアート作品のよう。
「IF(もし)」というテーマのもと、今年の東京は、バー文化の多様性と創造力にあふれています。
【初心者向け】カクテル7デイズを120%楽しむコツ
東京カクテル7デイズは、バー初心者から愛好家まで、誰もが楽しめる“カクテルの文化祭”。
せっかく参加するなら、ただ飲むだけでなく、どう巡り、どう味わうかを意識することで、体験の深みが変わります。
ここでは、初めての方でも安心して楽しめるポイントを紹介します。
1. 公式SNSをチェックして気になる一杯を見つける
イベント公式Instagram(@cocktail7days)では、出店しているバーや限定カクテルの最新情報が随時発信されています。
イベント期間中は、各店の写真やバーテンダーのコメントも多く投稿されるため、気になる“一杯”を見つけやすいはず。
投稿を参考にしながら、「行ってみたい店リスト」を作っておくと、当日スムーズにバー巡りが楽しめます。
2. 混雑を避けて、ゆったり巡る
人気店は夜19〜21時台に混み合うため、夕方17時前後など早めの時間帯が狙い目です。
また、金曜・土曜は特に混雑する傾向があるので、あえて平日を選ぶと、落ち着いた空間で会話や香りをじっくり楽しめます。
何軒も巡る場合は、1〜2杯ごとに水を挟むのがおすすめ。
味覚もリセットされ、最後まで美味しくカクテルを楽しめます。
3. 服装・マナー・コミュニケーションの心得
バーに慣れていなくても心配はいりません。
少しのマナーを意識するだけで、心地よい時間が過ごせます。
- 服装: 清潔感のあるカジュアルスタイルでOK。
- オーダー: 「イベントのカクテルをお願いします」と伝えればスムーズ。
- 写真撮影: お店の雰囲気を大切に。フラッシュは控えめに。
- 会話: バーテンダーに「どんな想いで作られたんですか?」と尋ねると、 一杯に込められたストーリーを直接聞けるかもしれません。
4. 一人でも、誰とでも楽しめる
多くのバーはカウンター席が中心で、ひとりでの来店も歓迎されています。
同じイベントパスポートを持つ人たちが自然に会話を交わす――そんな光景も珍しくありません。
友人同士やカップルで参加する場合は、お互いの“推しカクテル”をシェアし合うのもおすすめ。
飲み比べながら語り合えば、より印象深い夜になるでしょう。
カクテルを“味わう”から“感じる”へ
東京カクテル7デイズは、ただの飲み歩きイベントではなく、文化・創造・コミュニティが交差する体験型フェスティバルです。
一杯ごとに異なる哲学があり、それを味わうあなた自身が“この物語の一部”になります。
ルールはひとつ。
好奇心を持って一杯に向き合うこと。
その瞬間から、あなたの“IF(もし)”が始まります。
まとめ|2025年の東京カクテルカルチャーを体感しよう
2025年の東京カクテル7デイズは、テーマ「IF(もし)」を掲げ、“想像力”をカクテルで表現する、かつてないスケールのイベントへと進化しました。
全国から集まる約110軒のバー、約440種類の限定カクテル、そしてバーテンダーたちの“もしも”という問い。
それぞれの一杯には、技術だけでなく、文化・哲学・遊び心が詰まっています。
このイベントの本質は、「飲む」ことを通じて、東京という街の多様性と創造性を感じること。
日常を少しだけ抜け出して、まだ見ぬ味や人、会話と出会う――
そのすべてが、カクテルの楽しみ方を新しくしてくれます。
F&B Scene編集部としても、今年の「東京カクテル7デイズ」を、“飲食業の未来を映す文化的イベント”として注目しています。
一杯のカクテルが持つ力と、そこに込められたストーリーを、この秋、ぜひ自分の感性で体験してみてください。
参考・出典
- 公式サイト:東京カクテル 7デイズ
- プレスリリース:PR TIMES「クラフトカクテルの祭典「東京カクテル7デイズ2025」10月開催!」