はじめに|予約サイトの選定が集客に与えるインパクトとは
飲食店の集客戦略における「予約」の重要性
飲食店の集客方法は年々進化していますが、その中でも「予約サイト」の存在感は確実に増しています。特にコロナ禍以降、無駄な待ち時間を避けたい消費者心理が高まり、ネット予約の利用はスタンダードになりました。
では、なぜ「予約」が重要なのでしょうか?
それは単に「席を確保する」以上の意味を持つからです。
予約があると、来客数の予測が立ちやすくなり、食材の仕入れやスタッフ配置を最適化できます。さらに、予約時にユーザー情報が取得できれば、リピーターへのアプローチも可能になります。
つまり、予約とは“安定的な売上の源泉”であり、飲食店経営における重要な武器なのです。特に繁忙期には、予約数が売上の天井を決めると言っても過言ではありません。
「食べログ」と「ホットペッパー」、なぜ比較されるのか?
飲食店向けの予約導線を整える上で、まず候補に上がるのが「食べログ」と「ホットペッパーグルメ」です。
この2大プラットフォームは、それぞれ月間数千万人規模のユーザーを抱え、口コミ・ランキング・クーポン・予約機能を通じて集客を担っています。
実際、食べログは「信頼性ある口コミ・ランキング」に強みを持ち、ホットペッパーは「クーポン・キャンペーン施策」によって大量集客を狙える構造になっています。
ただし、両者の違いはそれだけではありません。料金体系、予約導線の設計、UI/UX、ユーザー層、予約成約率、そしてMEO(Googleマップ対策)など、あらゆる面で異なる戦略を採っています。
本記事では、この両サービスを飲食店視点で徹底比較し、「どちらが予約導線として効果的なのか?」を明らかにしていきます。
基本情報|食べログ・ホットペッパーの特徴とユーザー層を比較
食べログの概要とユーザー属性
「食べログ」は、株式会社カカクコムが運営する日本最大級のグルメレビューサイトです。2005年のサービス開始以来、信頼性の高い口コミと詳細なランキング機能で評価を高め、現在では月間利用者数8,500万人以上(2024年3月時点)を誇ります。
最大の特徴は、「点数」と「レビュー文化」による飲食店選びの指標性です。特に都市部の高単価レストランや話題性のあるお店に強く、「ハレの日需要」や「美食家層」に強く支持されています。
主なユーザー層は30〜50代のビジネスパーソンやグルメ志向の高い人たちで、「多少高くても美味しいものを食べたい」というニーズが中心です。また、Google検索で「渋谷 イタリアン」のように検索すると、食べログの店舗ページが上位に出てくることが多く、SEOの強さも大きな魅力です。
一方で、「予約までの導線がやや弱い」「無料掲載での拡張性が限られる」といった課題もあります。これは後述の予約導線比較でも詳しく触れます。
ホットペッパーグルメの概要とユーザー属性
「ホットペッパーグルメ」は、株式会社リクルートが運営する飲食店検索・予約サイトです。リクルートIDによるポイント連携や、紙媒体時代からの認知の高さにより、圧倒的な認知度とクーポン利用率の高さを誇っています。
主なユーザー層は、20〜40代の比較的若年層と、学生・主婦層、ファミリー層が中心です。「コスパ」「お得さ」「宴会対応」など、価格意識や利便性を重視するユーザーが多いのが特徴です。
特に、クーポン利用・ポイント還元による動機付けが強力で、団体予約や飲み会需要など「平日夜の回転率を上げたい店舗」には非常に相性が良い傾向があります。
また、リクルートの「じゃらん」や「ホットペッパービューティー」と同じID・ポイントシステムを共有しており、クロスチャネルでの集客にも強みがあります。
使われ方の違いと集客効果の傾向
両者のユーザー層・強みを整理すると、次のように住み分けが見えてきます:
比較項目 | 食べログ | ホットペッパー |
---|---|---|
主な利用目的 | 高評価店での食事、接待、記念日など | お得な飲み会、日常利用、クーポン活用 |
主なユーザー層 | 30〜50代/ビジネス層/グルメ志向 | 20〜40代/学生・主婦/価格重視 |
強み | 口コミ信頼度/点数システム/SEO | クーポン・ポイント/団体予約/回転率アップ |
弱み | クーポンや販促性に弱い/成約導線がやや弱め | 高級・専門店では弱い/口コミの質がバラつく |
つまり、「食べログ=単価の高い店舗での信頼性重視」、「ホットペッパー=お得感・キャンペーン重視のカジュアル利用」という違いを理解することが、予約導線設計の第一歩となります。
掲載・登録方法の違い|飲食店が知るべき初期設定と流れ
食べログへの登録方法と流れ(無料・有料プラン含む)
食べログへの掲載は、無料でも可能です。まずは以下のステップを押さえておきましょう。
【ステップ1】店舗会員アカウントを作成
食べログの店舗会員サイト(https://owner.tabelog.com)から、必要情報(店舗名・住所・電話番号など)を入力してアカウントを作成します。登録には本人確認があるため、店舗の営業許可証などが必要になる場合もあります。
【ステップ2】基本情報を登録
営業時間、定休日、支払い方法、座席数、ジャンルなどの詳細を入力。写真やメニュー情報もここで登録できます。
【ステップ3】無料プラン or 有料プランを選択
無料掲載では「店舗情報+口コミ掲載」までが基本機能。有料プラン(月額固定+成果報酬)を導入すると、以下が追加されます:
- 上位表示枠への掲載
- 写真・PR文の充実
- ネット予約機能(成果報酬:予約人数×100円~)
【ステップ4】審査 → 掲載スタート
情報入力後、食べログ側での審査が完了すれば、掲載がスタートします。
- 注意点として、無料プランは編集できる項目が限られており、競合に埋もれやすいという欠点があります。一方で、掲載だけでも一定の効果はあり、口コミ経由での集客が見込めるのは強みです。
ホットペッパーグルメへの掲載・登録手順
ホットペッパーグルメの掲載は、基本的にリクルート営業担当とのやりとりが発生する商談型です。無料での自主掲載は原則ありません(稀にキャンペーンなどで無料トライアルが提供される場合あり)。
【ステップ1】問い合わせ・資料請求
公式ページまたは営業経由で問い合わせを行い、資料を入手。地域・業態・規模に応じた提案が行われます。
【ステップ2】営業との面談・プラン選定
リクルートの営業担当がヒアリングを実施し、最適なプラン(例:ライト・ベーシック・プレミアム)を提案。料金は月額5万円〜30万円以上と幅があり、掲載エリアや写真・予約枠数で変動します。
【ステップ3】掲載内容の作成・入稿
専任スタッフとともに、写真撮影・メニュー登録・キャッチコピー作成などを進めます。
【ステップ4】予約ページ開設・掲載開始
システム設定完了後、予約ページが開設され、ネット予約受付が可能に。
- ホットペッパーはサポート体制が充実しており、予約ページの運用代行や効果測定レポートなども提供されます。ただし、費用対効果を意識したプラン選定が重要です。
登録時の注意点とよくある失敗例
▶ 無料登録だけで「来店が増える」と過信しない
特に食べログは、無料登録では上位表示されにくく、写真やレビュー次第で印象が大きく変わります。効果を期待するなら、写真・メニュー・口コミ誘導の戦略が欠かせません。
▶ 有料プランの費用対効果を十分検討する
ホットペッパーは「固定費型」なので、費用をかけても予約が取れないと赤字リスクに。営業トークに流されず、しっかりと費用対効果を見極める視点が大切です。
▶ 情報の更新を怠ると逆効果に
営業時間や定休日、メニューの変更が反映されていないと、クレームやキャンセルにつながる可能性も。特に繁忙期前後には定期的な情報更新が求められます。
料金・プラン比較|無料と有料でどこまでできる?費用対効果で選ぶ
食べログの料金体系と成果報酬の仕組み
食べログの掲載には「無料プラン」と「有料プラン(3段階)」があります。以下がその概要です(※2025年5月時点、最新情報は公式サイトを参照):
プラン | 月額料金 | 成果報酬 | 主な機能 |
---|---|---|---|
無料 | 0円 | なし | 基本情報の掲載、口コミ表示、写真投稿(制限あり) |
ライトプラン | 約1〜3万円 | 予約人数×100円〜 | 写真強化、PR文、限定特集、ネット予約導線 |
ベーシックプラン | 約3〜6万円 | 同上 | 店舗情報の上位表示、カスタマイズ可能なPR枠 |
プレミアムプラン | 約8万円〜 | 同上 | 特集記事の露出、バナー広告、他店との差別化強化 |
特に注目すべきは成果報酬型ネット予約機能。ネット予約が発生した際に、1人あたり100〜200円程度の成果報酬が発生します。
つまり、「集客できた分だけ支払う」形式なので、無駄なコストが発生しにくいのがメリットです。
一方で、予約が多い店舗ほど手数料負担が大きくなるため、予約単価・利益率とのバランス調整が必須になります。
ホットペッパーの料金体系と掲載契約の実態
ホットペッパーグルメは、成果報酬ではなく、月額固定費ベースの契約となっており、プランは主に以下のように分類されます:
プラン | 月額費用 | 成果報酬 | 主な機能 |
---|---|---|---|
ライトプラン | 約5〜7万円 | なし | 基本情報、写真、クーポン掲載 |
スタンダードプラン | 約10〜15万円 | なし | エリア内での上位表示、優先特集枠 |
プレミアムプラン | 約20〜30万円〜 | なし | 特集記事、露出強化、データレポート・コンサル付き |
大きな特徴は“ネット予約の手数料がかからない”という点。ただし、月額固定費の負担が大きく、費用対効果を出すにはある程度の予約件数が必要です。
また、プラン契約は原則6ヶ月〜1年単位が多く、途中での変更やキャンセルが難しい点も要注意。
初めて掲載を検討する店舗は、営業担当に数字ベースで成果見込みを明示してもらうことが重要です。
無料・有料の違いと選び方のポイント
どちらのサービスでも「無料での情報掲載」は可能ですが、集客効果に大きな差が出るのは事実です。以下のポイントを判断軸にしてみましょう。
✔ まずは無料から試して“表示され方”をチェック
自店舗のジャンル・エリアで、どれだけ露出されるかを確認しましょう。「検索しても自店が出てこない…」という場合、有料化の検討余地ありです。
✔ 低リスクで始めたいなら、食べログの成果報酬プラン
予約が入らなければ手数料もかからないため、初期費用を抑えたい店舗にはマッチします。
✔ 月間予約数が多いなら、ホットペッパーの固定費プランも視野に
繁盛店や宴会需要の多い店舗であれば、手数料の心配がないホットペッパーの方が利益が出やすい可能性も。
✔ 営業トークに流されず、必ず数値ベースで判断を
「●件予約が取れたら回収できる」という視点で、ROI(投資対効果)をシミュレーションしてから契約するようにしましょう。
予約導線・成約率の違い|導線設計・UI・成果数を徹底比較
ネット予約導線の見せ方(導線設計とユーザー動線)
飲食店にとって、ネット予約ページへの“誘導力”=集客力といっても過言ではありません。実際、ユーザーが「予約したい」と思った瞬間にスムーズに予約フォームへ辿り着けるかどうかで、成約率は大きく変わります。
食べログの導線
食べログは口コミ・ランキングが主軸のため、ユーザーはまずレビューを読んでから予約を検討する傾向があります。
そのため、「口コミ→店舗ページ→ネット予約」の3ステップになるケースが多く、多少の回遊が必要です。
また、ネット予約ボタンは下部に表示されることが多く、少し見つけにくいという声もあります。
ただし、評価点が高い店舗は自然検索からの流入も強く、口コミ→予約という流れが“信頼の連鎖”として働くのが強みです。
ホットペッパーグルメの導線
ホットペッパーは「クーポン」「ネット予約可能」などのタグ表示を前面に打ち出し、予約へ直結するUIが設計されています。
トップページから検索→一覧→予約ボタンというシンプルな流れで、スムーズな予約導線が特徴です。
特に「今日・明日予約できるお店」「今すぐ予約可」など、“即決”に強い検索機能が豊富で、予約完了までのスピード感に優れています。
スマホ/PCでのUI・操作性の比較
現在、多くのユーザーがスマートフォンから飲食店を検索・予約しています。スマホのUI(ユーザーインターフェース)は、予約率に直結する重要な要素です。
比較項目 | 食べログ | ホットペッパー |
---|---|---|
スマホ対応 | ◎(レスポンシブで見やすい) | ◎(アプリも快適) |
予約ボタンの位置 | やや下部にあり視認性は△ | 上部にありタップしやすい◎ |
アプリの予約機能 | やや簡素(予約に回数制限あり) | クーポン連携、予約スピード感が◎ |
口コミページの多層構造 | 回遊時間が長くなる傾向あり | シンプルで予約までの導線が短い |
スマホでの直感的な操作性に関しては、ホットペッパーの方が“予約特化型UI”として優れた設計となっています。
成約率に影響する要因と飲食店オーナーのリアルな声
最後に、成約率に影響する現場の声を紹介します。
▶ 実際にホットペッパーを導入した店舗の声
「予約ボタンの位置がわかりやすく、クーポンを一緒に使えるからか、若年層の利用率が明らかに高い。1日平均2~3組は確実に入るようになった」(居酒屋オーナー・30代)
▶ 食べログを有料化した店舗の声
「評価点と口コミの信頼性が効いているのか、単価1万円以上の予約がコンスタントに入るようになった。特に接待や記念日の利用が増えた印象」(和食店オーナー・40代)
つまり、予約成約率に影響する要素は「UI」だけでなく、「誰に向けてどう見られるか」も大きな鍵なのです。
自店のターゲットに応じて、よりマッチする予約導線を選ぶことが成功の近道といえるでしょう。
SEO・MEOでの可視性比較|「検索されたときに見つかる」のはどっち?
Google検索での強さ(「店名+エリア」表示比較)
飲食店の集客において、「検索されたときに表示されるか」は予約数に直結する最重要ポイントの一つです。
多くのユーザーは、「渋谷 焼肉」「恵比寿 イタリアン」などと検索し、表示された中から数店舗を比較・予約します。
この検索結果で強さを発揮するのが食べログです。
Googleで店名やジャンルを検索すると、食べログの店舗ページが自然検索結果(オーガニック)で上位に表示されることが非常に多く、ドメインパワーと内部SEO構造が極めて強いといえます。
一方で、ホットペッパーはSEOにおける強さでは食べログに一歩譲る傾向があります。特に個別店舗ページよりも一覧や特集ページが先に出てくるケースが多く、指名検索においては露出が弱いという課題もあります。
Googleマップ表示・MEO連携の強さ
検索結果におけるもう一つの重要なエリアが、Googleマップ(=MEO:Map Engine Optimization)です。
ホットペッパーは、Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)との連携が比較的強く、マップ検索での表示と連動するケースが多いのが特徴です。予約ボタンに「ホットペッパーグルメで予約」という表示が出る場合もあり、“今すぐ予約したい”ユーザーを効率よく獲得できます。
一方、食べログはGoogleマップとの連携度が若干弱く、口コミ数や評価点がGoogle側に反映されにくい傾向も見受けられます(2025年時点)。
とはいえ、MEO対策は自店のGoogleビジネスプロフィール次第で強化可能なので、掲載媒体とは別軸でコントロールしていくことも重要です。
SNSや口コミメディアとの連携面を分析
SNS時代の現在、「食べログ点数が高いお店」や「ホットペッパークーポンが使えるお店」は、InstagramやX(旧Twitter)でも話題になりやすいという現象が起きています。
食べログの場合
- 高評価店は“点数4.0超え”などのバズ要因に
- 「#食べログ百名店」「#食べログ高評価」でのSNS検索に強い
- メディア掲載との親和性も高く、テレビ・雑誌などでも引用されやすい
ホットペッパーの場合
- インフルエンサー施策やキャンペーン投稿による拡散性が高い
- 「#ホットペッパーで予約」「#クーポン活用」などのお得ネタで拡散しやすい
- 複数業種(ビューティー・旅行)と連携したポイント活用の投稿も増加傾向
つまり、SNSとの親和性においてもターゲット層に応じた“拡散導線”の選び方が求められる時代になっています。
食べログは「権威性と安心感」、ホットペッパーは「お得さとスピード感」という武器で、それぞれ独自の露出機会を生み出しています。
予約管理・一元化の観点から見る連携・運用のしやすさ
複数サイト利用による予約バッティングの課題
現代の飲食店では、食べログもホットペッパーも併用して予約を受け付けている店舗が少なくありません。集客チャネルを増やすという意味では非常に有効ですが、ここで問題になるのが「予約バッティング(ダブルブッキング)」です。
異なる予約サイトで同じ時間帯に予約が入った場合、管理画面がバラバラだと気付かずに席を重複して取ってしまうことがあります。
これが発生すると、現場スタッフは混乱し、お客様からの信頼を大きく損ねる結果にもなりかねません。
特にピークタイムの繁忙店では「〇名テーブルが残っているか?」という判断をリアルタイムで行う必要があり、手作業や目視での管理には限界があります。
予約一元管理システムとの連携可否
この課題を解決するのが、予約一元管理システムの導入です。代表的なものとしては、以下のようなサービスがあります(2025年5月時点の情報に基づく):
サービス名 | 主な機能 | 対応サイト例 |
---|---|---|
TableCheck | 複数媒体の予約一元管理/顧客データ管理/LINE連携など | 食べログ、ホットペッパー、ぐるなび、Google予約 等 |
トレタ | 顧客台帳・予約台帳のデジタル化/POS連携あり | ホットペッパー、LINE予約、電話予約 等 |
ebica(エビカ) | チャネル統合/空席調整/キャンセル通知機能など | 食べログ、ホットペッパー、Google、Yahoo 等 |
これらを使えば、すべての予約が一つのダッシュボードで確認可能になり、空席状況に応じて自動的に枠を制御できます。
また、予約と来店履歴を統合することで、常連客への特別対応や再来店促進施策にも活用可能です。
なお、食べログもホットペッパーも基本的に外部の一元管理ツールとAPI連携が可能ですが、利用には契約・設定が必要なので、導入時には必ず確認しましょう。
実際の業務負担を軽減する運用術
予約管理の効率化は、単なるシステムの問題ではなく「現場運用の再設計」にもつながります。
たとえば、
- 予約情報とPOSレジを連携して注文傾向を分析
- 来店履歴に基づいた接客メモや注意点を記録
- キャンセル率を下げるためのリマインド通知設定
といった機能を使えば、予約は単なる「事前来店告知」ではなく、売上アップや顧客体験向上につながる資産になります。
また、業務時間外に入る予約も自動処理されるため、スタッフの精神的負担も軽減。
「営業時間終了後に予約電話が鳴らないだけで、1日の疲労感が違う」という声も実際の現場からよく聞かれます。
予約導線の整備=現場の働きやすさと顧客満足度の両立につながるのです。
こんな飲食店におすすめ|タイプ別・目的別の最適選択ガイド
高単価・こだわり系=食べログ向き
もしあなたのお店が「料理の質」で勝負していたり、「雰囲気」「接客」などに徹底的にこだわっているのであれば、食べログとの相性は抜群です。
食べログは、評価スコアや口コミの質が重視されるため、単価が高くても“納得感のあるお店”を探す層に強くリーチできます。特に以下のような業態では効果的です:
- 割烹、寿司、フレンチなどの高級業態
- 接待や記念日利用を想定したレストラン
- 一人客やカップル利用が多く、落ち着いた空間
また、口コミでの高評価が集まれば、無料プランでも検索上位に表示される可能性が高く、広告費に頼らず集客できるポテンシャルを秘めています。
「質の高さを武器に、ゆるやかに認知を広げていきたい」
そんな飲食店には、食べログが向いているといえるでしょう。
回転率・クーポン重視=ホットペッパー向き
一方で、「とにかく集客したい」「平日の稼働率を上げたい」「クーポンを武器に価格訴求したい」という店舗であれば、ホットペッパーの力を借りるのが最適です。
こんな業態は相性が良いと言えます:
- 居酒屋、焼肉、カフェなど中価格帯〜カジュアル業態
- 飲み会や宴会需要の多い店舗
- 学生、主婦層、ファミリーなどがメインターゲット
ホットペッパーは、クーポン・ポイント・キャンペーン施策が豊富なため、価格への感度が高いユーザーに刺さりやすく、即効性ある集客が見込めます。
さらに、ネット予約で自動的にポイントが貯まるため、「リピーター化」も狙いやすいのが特徴です。
「スピード感と量を重視して、とにかく予約数を増やしたい」
そんな目的には、ホットペッパーの導入が強い武器になるはずです。
併用戦略が有効なケースとは?
もちろん、「どちらか一方しか選べない」わけではありません。
実際、多くの飲食店は“食べログ+ホットペッパー”を併用して、ターゲット別に予約導線を設計しています。
たとえば:
- 食べログで「質の高い顧客層」の信頼を獲得しつつ…
- ホットペッパーで「割引を求める層」や「団体客」を拾う
というように、属性ごとに予約の導線を分けることで、ムダなく幅広い集客が可能になります。
その際は、予約バッティングを防ぐ一元管理ツールを活用することで、オペレーションの負荷も軽減できます。
要するに、自店の強み・顧客層・戦略に合わせて、媒体を“選ぶ”のではなく“使い分ける”という考え方が、今の飲食店には求められているのです。
結論|あなたの店舗にとって“本当に効果的な予約導線”とは?
初期費用・集客数・運用手間から考える判断軸
「食べログとホットペッパー、結局どっちがいいの?」
この問いに対する答えは、「店舗のビジネスモデルとターゲット層による」というのが結論です。
以下の3軸で整理してみましょう。
✔ 初期費用・ランニングコスト
- 固定費が少ないのは食べログの成果報酬型プラン
- 月額固定費がかかるが予約手数料がないのはホットペッパー
✔ 予約の量(数)と質(単価)
- 数を取りたいならホットペッパー(団体、クーポン利用)
- 単価の高い予約なら食べログ(接待、デート、記念日)
✔ 運用のしやすさ
- ホットペッパーは営業サポートがつきやすく、初心者にも安心
- 食べログは口コミ対策やレビュー管理に工数がかかる場合あり
どの項目に重きを置くかで、選ぶべきサービスが変わります。
まずは無料掲載&効果測定から始めよう
迷ったら、まずは無料プランで“試してみる”ことが最も現実的な第一歩です。
特に食べログは無料でも店舗ページを持つことができるため、検索流入や口コミ投稿の状況を数ヶ月間観察してから、有料プランに移行するという手もあります。
ホットペッパーに関しても、時期によっては「無料掲載キャンペーン」や「お試し枠」が提供されることがあるため、リクルート営業に一度相談してみるとよいでしょう。
小さく始めて、数字で判断する。
これは飲食店の集客だけでなく、すべてのマーケティングに通じる基本姿勢です。
定期的な見直し・プラン変更で最大効果を狙う
一度契約・掲載したら終わりではありません。
予約数や売上との関係を定期的に見直し、必要に応じてプランを変更・見直すことが非常に大切です。
たとえば、
- 平日はホットペッパーで集客、
- 週末や特別な日は食べログ経由の質の高い予約を狙う
といったように、曜日や季節によって販促戦略を使い分けるのも有効な手法です。
また、GoogleビジネスプロフィールやInstagramなど、「予約につながる他チャネル」との連携強化も並行して進めることで、より立体的な集客導線が構築できます。
飲食店にとって“予約の質と量”は、経営の安定を左右する鍵。
媒体選びは、決して感覚や営業トークではなく、「戦略」として行うべき選択なのです。
おわりに|予約サイト比較で終わらない、飲食店の次の集客施策
Googleビジネスプロフィール、SNS、LINE活用などの併用施策
食べログやホットペッパーといった予約サイトは、たしかに強力な集客チャネルですが、それだけに依存するのはリスクでもあります。現代の飲食店に求められるのは、複数の導線を組み合わせた「マルチチャネル集客」です。
まず必ず取り組みたいのが、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の最適化です。
検索結果やGoogleマップに表示される情報を自分で管理できる無料ツールで、営業時間や写真、クチコミへの返信、予約リンクの設定まで可能。MEO対策としても有効です。
さらに、SNS運用も無視できません。Instagramでの投稿・リール・ストーリーズ、X(旧Twitter)での告知、TikTokでの店舗紹介など、視覚・体験に訴える投稿が新規顧客の獲得に直結します。
また、LINE公式アカウントの活用も強力な武器になります。
来店者に対して「LINE友だち登録でドリンク1杯無料」などのインセンティブを設定すれば、リピーター化・予約促進に役立ちます。
集客戦略を複線化してリスクヘッジを
昨今の情勢を見てもわかる通り、アルゴリズム変更や媒体の仕様変更、さらには社会的な情勢によっても飲食店の集客状況は大きく変わります。
だからこそ、予約サイトだけに頼らず、Google検索、SNS、公式サイト、LINEなどを使い分けた“複線戦略”が必要不可欠なのです。
どのチャネルが最も効果を発揮するかは店舗ごとに異なりますが、「1つが止まっても他でカバーできる」状態を作っておくことで、経営リスクを最小限に抑えることができます。
「予約」は“手段”であって“目的”ではありません。
真の目的は、お客様との接点を増やし、体験価値を提供し、リピーターを育てていくこと。
媒体を選ぶことも、投稿を続けることも、そのすべてが「お店の未来への投資」なのです。