目次
  1. 1. はじめに|なぜLINE公式アカウントが重要なのか?
    1. LINE公式アカウントとは?
    2. 他のSNSと比較したLINEの強み
  2. 2. LINE公式アカウントの開設方法
    1. LINE公式アカウントを作る手順(PC・スマホ両対応)
    2. 基本情報の設定(アカウント名・プロフィール・アイコンなど)
    3. 認証済みアカウントと未認証アカウントの違い
  3. 3. まず設定すべき基本機能
    1. あいさつメッセージの設定(友だち追加時に自動送信するメッセージ)
    2. 応答メッセージの活用(問い合わせ対応の自動化)
    3. リッチメニューの設定(店舗情報・クーポン・予約リンクの設置)
    4. タグ機能で顧客を分類する方法
  4. 4. 効果的な配信戦略|集客&販促に役立つ使い方
    1. メッセージ配信のコツ(開封率を上げる文章術)
    2. クーポン・ショップカードの活用(リピーターを増やす施策)
    3. LINE VOOM(旧タイムライン)投稿での情報発信
    4. セグメント配信の活用(顧客ごとに異なるメッセージを送る方法)
  5. 5. LINE公式アカウントをもっと便利にする応用機能
    1. チャット機能を活用して顧客対応を効率化
    2. ステップ配信で自動フォローアップ
    3. 予約・決済システムとの連携(LINE予約・LINE Pay)
  6. 6. 運用を成功させるためのポイント
    1. 友だちを増やすための工夫(QRコード・SNS・店頭POP活用)
    2. 効果測定の方法(分析ツールの活用)
    3. 継続的に運用するためのコツ(定期的な投稿&PDCAサイクル)
  7. 7. まとめ|LINE公式アカウントを活用して売上アップを目指そう
    1. 設定の見直し&運用改善を続ける重要性
    2. まずは基本機能から始めよう

1. はじめに|なぜLINE公式アカウントが重要なのか?

スマートフォンが生活の一部となった現代、LINEはもはや日本人にとって欠かせないコミュニケーションツールとなっています。友だちや家族とのやりとりだけでなく、今やビジネスシーンでも大きな役割を果たしているのがLINE公式アカウントです。

なぜ今、多くの事業者がLINE公式アカウントに注目しているのでしょうか?それは、お客様との「直接的なつながり」を構築できる強力なマーケティングツールだからです。メールやチラシではなかなか届かなかった情報も、LINEなら高い確率で顧客の目に触れます。

LINE公式アカウントとは?

LINE公式アカウントとは、企業やお店が運営できる公式のLINEアカウントです。以前は「LINE@」と呼ばれていましたが、2019年4月に「LINE公式アカウント」に名称変更されました。このサービスを使えば、ビジネスとして顧客とLINEでつながり、メッセージを送ったり、クーポンを配布したりすることができます。

最大の魅力は、日本国内で9,500万人以上が利用するLINEアプリ上で、直接顧客とコミュニケーションがとれること。メールマーケティングの開封率が平均10〜20%程度と言われる中、LINEメッセージの開封率は驚異の95%以上と言われています。これは、マーケティング担当者にとって見逃せない数字ですよね。

他のSNSと比較したLINEの強み

InstagramやX(旧Twitter)、Facebookなど、様々なSNSがある中で、なぜLINEなのでしょうか?

LINE最大の強みは「既読」の概念です。メッセージを読んだかどうかが明確にわかるため、情報の到達率が非常に高いのです。また、他のSNSと異なり、投稿が時系列で流れていくタイムライン型ではなく、1対1のメッセージ型であるため、情報が埋もれにくいという特徴もあります。

さらに、日本におけるLINEの普及率の高さは他のSNSを圧倒しています。幅広い年齢層が利用しているため、若年層向けのサービスだけでなく、シニア向けのビジネスにも有効です。

LINE公式アカウントを活用することで、顧客とのより深いコミュニケーションが可能になり、ビジネスの成長につながるでしょう。では次に、具体的な開設方法を見ていきましょう。

2. LINE公式アカウントの開設方法

LINE公式アカウントを活用するためには、まずアカウントを開設する必要があります。難しそうに思えるかもしれませんが、実は数ステップで簡単に始められるんです。それでは、具体的な手順を見ていきましょう。

LINE公式アカウントを作る手順(PC・スマホ両対応)

PCからの開設手順:

  1. LINE for Business」の公式サイトにアクセスします
  2. 「LINE公式アカウント」のページから「アカウントを作成する」をクリックします
  3. LINE Businessアカウントにログインします(持っていない場合は新規作成)
  4. 利用規約に同意し、基本情報を入力します
  5. アカウントの種類(ビジネスアカウントか個人アカウントか)を選択します
  6. 業種や担当者情報を入力して完了です

スマートフォンからの開設手順:

  1. LINEアプリをインストールし、ログインします
  2. 「設定」タブから「LINE公式アカウント」を選択します
  3. 「新規アカウントを作成」をタップします
  4. アカウントの種類を選び、必要事項を入力します
  5. 利用規約に同意して完了です

どちらの方法でも10分程度で開設できるので、今すぐ始めてみることをおすすめします。ただし、PCからの方がより多くの設定項目にアクセスできるため、初期設定はPCで行うのが便利です。

基本情報の設定(アカウント名・プロフィール・アイコンなど)

アカウントを作成したら、次は基本情報の設定です。ここでの設定が顧客の第一印象を左右するので、しっかりと作り込みましょう。

アカウント名: 検索されやすいよう、店舗・ブランド名をそのまま使うのがおすすめです。名前の後ろに「公式」と付けると、正規のアカウントであることが伝わりやすくなります。

プロフィール文: 「何ができるアカウントなのか」を簡潔に伝えましょう。例えば「最新情報やお得なクーポンを配信!お問い合わせもLINEで気軽にどうぞ」など、フォローするメリットを明確に示すことが大切です。

アイコン画像: ロゴや店舗の外観など、認識しやすい画像を選びましょう。画質が荒いものやテキストが多すぎるものは避け、シンプルで視認性の高いものが効果的です。推奨サイズは正方形の1,000×1,000ピクセルです。

カバー画像: アカウントのイメージを決める重要な要素です。店内の様子やおすすめ商品、季節のキャンペーン情報などを掲載するとよいでしょう。推奨サイズは横長の2,000×1,100ピクセルです。

基本情報を入力したら、一度友だち追加して自分のアカウントを確認してみましょう。ユーザー目線で見たときに、どのような印象を受けるか確認することが大切です。

認証済みアカウントと未認証アカウントの違い

LINE公式アカウントには「認証済みアカウント」と「未認証アカウント」の2種類があります。この違いを理解しておくことも重要です。

認証済みアカウント: アカウント名の横に緑色のチェックマークが表示され、公式に認められたアカウントであることを示します。認証を受けるには審査が必要で、企業や店舗の実在証明や商標権の確認などが行われます。認証済みアカウントは信頼性が高く、ユーザーからの安心感も得られます。

未認証アカウント: 特別な審査なしで開設できるアカウントです。小規模店舗や個人事業主の多くはこちらを利用しています。機能的な制限はありませんが、認証マークがつかないため、プロフィールやコンテンツで信頼性をアピールする工夫が必要です。

認証を取得するには、LINE公式アカウントマネージャーの「認証申請」から手続きを行います。審査には1〜2週間程度かかるため、余裕を持って申請しましょう。

LINE公式アカウントの開設自体は無料で行えますが、メッセージ配信数に応じて料金プランが変わります。まずは無料プランで始め、友だち数が増えてきたら有料プランへの移行を検討するのがおすすめです。次は、アカウント開設後にまず設定すべき基本機能について見ていきましょう。

3. まず設定すべき基本機能

LINE公式アカウントを開設したら、まずは基本的な機能を設定しましょう。これらの機能を活用することで、お客様とのコミュニケーションがスムーズになり、運用の効率も上がります。特に最初に設定しておきたい4つの機能を詳しく解説します。

あいさつメッセージの設定(友だち追加時に自動送信するメッセージ)

あいさつメッセージは、お客様があなたのアカウントを友だち追加した際に自動で送信されるメッセージです。ここでの第一印象が、その後の関係性を大きく左右します。

効果的なあいさつメッセージのポイント:

  1. 友だち追加のお礼を伝える
  2. アカウントでできることを簡潔に説明する
  3. 次のアクションを促す(クーポン提示、メニュー確認など)
  4. 親しみやすい言葉遣いを心がける

例えば、カフェのLINE公式アカウントであれば次のようなメッセージが効果的です。

【Cafe Solarにようこそ!】
友だち追加ありがとうございます😊

このアカウントでは、
✅ 新メニュー情報
✅ お得なクーポン配信
✅ イベント案内
をお届けします!

今すぐ使える「初回限定ドリンク100円引きクーポン」をプレゼント♪
▼クーポンを見る
(リッチメニューのクーポンをタップ)

何か質問があればいつでもお気軽にメッセージください!

このように、具体的なメリットとアクションを示すことで、お客様の興味を引きつけることができます。

応答メッセージの活用(問い合わせ対応の自動化)

応答メッセージは、お客様からメッセージが送られてきた際に自動で返信される機能です。24時間対応できない場合でも、この機能を使えばお客様を待たせることなく初期対応が可能になります。

応答メッセージの設定例:

メッセージありがとうございます。
営業時間内(10:00〜18:00)であれば、通常30分以内にご返信いたします。

■よくあるご質問
・営業時間について
・予約方法について
・アクセス方法について

上記についてはリッチメニューの「FAQ」からもご確認いただけます。
お急ぎの場合は03-XXXX-XXXXまでお電話ください。

さらに進んだ設定として、キーワード応答機能も活用しましょう。例えば「予約」というワードに対して営業時間や予約方法を自動返信したり、「場所」というワードに対して地図情報を送ったりすることができます。よくある質問をあらかじめ想定し、キーワードごとに回答を用意しておくと効率的です。

リッチメニューの設定(店舗情報・クーポン・予約リンクの設置)

リッチメニューとは、LINE公式アカウントのトーク画面下部に表示される画像付きのメニューボタンです。お客様がワンタップで欲しい情報にアクセスできるため、利便性を高めるのに効果的です。

リッチメニューに設置するとよい項目:

  1. 店舗情報(営業時間・アクセス)
  2. 商品・サービス紹介
  3. クーポン・特典情報
  4. 予約・問い合わせフォーム
  5. 公式サイトやSNSへのリンク

リッチメニューは最大6つのエリアに分割でき、それぞれに異なるリンク先を設定できます。画像も自由に作成できるので、ブランドイメージに合ったデザインで統一感を出すことが大切です。

デザインに自信がない場合は、LINE公式アカウントマネージャーで提供されているテンプレートを利用するか、Canvaなどの無料デザインツールを活用するのもおすすめです。

タグ機能で顧客を分類する方法

タグ機能を使えば、お客様を属性や行動履歴ごとに分類することができます。この機能を活用することで、より効果的なセグメント配信が可能になります。

タグ設定の例:

  • 【属性別】男性/女性/年代別
  • 【地域別】東京/大阪/名古屋など
  • 【来店頻度】リピーター/新規顧客
  • 【購入商品】商品A購入者/商品B購入者
  • 【イベント】セミナー参加者/キャンペーン応募者

タグ付けの方法はいくつかあります。個別チャットでの会話内容からマニュアルで設定する方法、メッセージの開封やURLクリックなどの行動に応じて自動でタグ付けする方法などです。

例えば、クーポンを開封したユーザーに「クーポン利用者」というタグを付け、次回のクーポン配信時にそのタグがついたユーザーのみに送信するといった使い方ができます。

これらの基本機能を上手く設定することで、LINE公式アカウントの運用が効率化され、お客様との関係構築にも役立ちます。次のセクションでは、さらに一歩進んだ効果的な配信戦略について解説していきます。

4. 効果的な配信戦略|集客&販促に役立つ使い方

LINE公式アカウントの基本設定ができたら、次は実際に集客や販促につながる配信戦略を考えていきましょう。ただメッセージを送るだけでは効果は限定的です。ここでは、実際に成果を上げるための効果的な使い方を解説します。

メッセージ配信のコツ(開封率を上げる文章術)

LINE公式アカウントからのメッセージは一般的に開封率が高いと言われていますが、より多くの方に読んでもらうためのコツがあります。

効果的なメッセージ作成のポイント:

  1. 件名(冒頭文)を工夫する 最初の1行目は通知にも表示されるため、興味を引く内容にしましょう。「今日限定」「先着30名様」など緊急性や限定感を出すと効果的です。
  2. 絵文字を適度に使用する 絵文字があるとメッセージが明るい印象になり、読みやすくなります。ただし使いすぎるとうるさい印象になるので、2〜3個程度に抑えるのがコツです。
  3. 文章を簡潔にまとめる 長すぎるメッセージは読まれにくいので、重要な情報を簡潔にまとめましょう。300〜500文字程度が理想的です。
  4. 画像を効果的に活用する 商品写真やクーポン画像など、視覚的な情報を添えると記憶に残りやすくなります。特に飲食店なら美味しそうな料理の写真が効果的です。
  5. 配信頻度とタイミングを考える 毎日配信すると煙たがられるリスクがあるため、週1〜2回程度が適切です。また、ターゲット層の生活リズムに合わせた時間帯(例:ランチ情報なら午前中)を選びましょう。

実際の配信例:

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こんにちは、ABC Storeです!

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クーポン・ショップカードの活用(リピーターを増やす施策)

LINE公式アカウントを友だち追加するメリットとして最も効果的なのが「クーポン」です。定期的にクーポンを配信することで、リピート来店を促すことができます。

効果的なクーポン戦略:

  1. 定期的なクーポン配信 月に1〜2回程度、定期的にクーポンを配信することで来店サイクルを作れます。
  2. 期間限定クーポン 使用期限を1週間程度に設定すると、緊急性が生まれて利用率が高まります。
  3. 段階的な特典設計 初回限定クーポン→2回目来店クーポン→リピーター限定クーポンなど、来店回数に応じた特典を用意すると効果的です。
  4. ショップカード機能の活用 紙のポイントカードをLINEに移行することで、お客様の財布を圧迫せず、紛失リスクも減らせます。10回来店で1回無料など、シンプルな仕組みが効果的です。

実際の事例として、ある美容室では「次回予約クーポン」を帰り際に送信する仕組みを導入し、再来店率が30%向上したという結果もあります。

LINE VOOM(旧タイムライン)投稿での情報発信

LINE VOOMは、LINE公式アカウントからの投稿が友だちのタイムラインに表示される機能です。メッセージ配信とは異なり、プッシュ通知が届かないため、お客様に「うざい」と思われるリスクが少ないのが特徴です。

LINE VOOMの効果的な活用法:

  1. 日常的な投稿 新商品の紹介、スタッフの日常、お店の裏側など、ライトな内容を定期的に投稿しましょう。
  2. メッセージ配信との使い分け 重要度の高い情報はメッセージ配信、日常的な情報はLINE VOOMと使い分けることで、適切な情報発信が可能になります。
  3. 写真や動画の活用 テキストだけでなく、視覚的なコンテンツを交えることでエンゲージメントが高まります。
  4. いいね・コメントの活性化 「いいねしてくれた方に次回使えるクーポンをプレゼント」など、インタラクションを促す工夫も効果的です。

セグメント配信の活用(顧客ごとに異なるメッセージを送る方法)

すべてのお客様に同じメッセージを送るよりも、属性や行動履歴に合わせた内容を送る方が反応率は格段に高まります。これが「セグメント配信」の強みです。

セグメント配信の実践例:

  1. 来店頻度別セグメント 1ヶ月以上来店がない顧客に「お久しぶりクーポン」を送信する
  2. 購入商品別セグメント 美容液を購入した顧客には関連商品である化粧水の情報を送る
  3. 年齢層別セグメント 20代には若者向け商品、50代にはアンチエイジング商品の情報を送り分ける
  4. 地域別セグメント 店舗周辺の顧客には「本日限定」のクーポン、遠方の顧客にはオンラインショップの情報を送る

セグメント配信を実施するためには、前述のタグ機能を活用してお客様の情報を整理しておく必要があります。地道な作業ですが、効果は非常に高いので、少しずつでも取り組むことをおすすめします。

効果的な配信戦略を実践することで、LINE公式アカウントはただの情報発信ツールから、売上を直接生み出す強力なマーケティングチャネルへと進化します。次のセクションでは、さらに応用的な機能について解説します。

5. LINE公式アカウントをもっと便利にする応用機能

基本的な機能を使いこなせるようになったら、次はさらに便利で高度な応用機能を活用してみましょう。ここでは、顧客対応の効率化や売上アップにつながる応用機能を紹介します。

チャット機能を活用して顧客対応を効率化

LINE公式アカウントでは、お客様から個別のメッセージを受け取り、1対1でチャットのようなコミュニケーションを取ることができます。この機能を活用すれば、電話やメールよりも手軽に顧客対応ができるようになります。

チャット機能活用のポイント:

  1. 応答時間の設定と明示 「営業時間内であれば30分以内に返信します」など、返信までの目安時間を明確にしておくと、お客様の不安を軽減できます。
  2. 担当者名を明記する 「スタッフの田中です」など、担当者名をメッセージに入れることで親近感が生まれます。複数スタッフで対応する場合は、引き継ぎをスムーズに行いましょう。
  3. 定型文の活用 よくある質問に対する回答や挨拶文など、定型文を用意しておくと対応時間を短縮できます。LINE公式アカウントマネージャーでは、定型文を登録しておく機能があります。
  4. 画像や動画での説明 文字だけでは伝わりにくい内容は、画像や動画を送ることでより分かりやすく説明できます。例えば、商品の使い方や店舗までの道順などを視覚的に伝えることが可能です。

実際に美容院では予約変更や当日のキャンセルなどをLINEで受け付けることで、電話対応の時間が大幅に削減できたという事例もあります。

ステップ配信で自動フォローアップ

ステップ配信とは、あらかじめ設定したスケジュールに従って、自動的にメッセージを送信する機能です。例えば、友だち追加してから3日後→7日後→14日後…というように段階的にメッセージを送ることができます。

ステップ配信の活用シナリオ:

  1. 新規顧客向けウェルカムシリーズ 友だち追加後、3日以内に店舗案内→1週間後にクーポン→2週間後に人気商品の紹介というステップで送信
  2. 商品購入後のフォローアップ 商品購入後3日後にお礼メッセージ→7日後に使用感のヒアリング→30日後にリピート促進クーポンの配信
  3. イベント前後のコミュニケーション イベント1週間前に案内→3日前にリマインド→前日の最終案内→イベント後のお礼と次回予告

ステップ配信は「Messaging API」を活用するか、外部のMAツール(マーケティングオートメーションツール)と連携することで実現できます。初期設定は手間がかかりますが、一度仕組みを作ってしまえば、その後は自動で顧客とのコミュニケーションが取れるようになります。

予約・決済システムとの連携(LINE予約・LINE Pay)

LINE公式アカウントの強みの一つが、様々な外部システムとの連携の容易さです。特に予約システムや決済システムとの連携は、顧客の利便性を高め、売上アップにつながります。

LINE予約システムとの連携:

LINE公式アカウント上で直接予約ができるようになれば、顧客はわざわざ電話をかけたりWebサイトに移動したりする手間が省けます。美容室、飲食店、医療機関など予約が必要なビジネスでは特に効果的です。

連携方法は主に以下の3つ:

  1. LINE公式が提供する「LINEで予約」機能を利用する
  2. 外部の予約システム(Hotpepper BeautyやEPARKなど)との連携
  3. 自社の予約システムとLINE Messaging APIを連携させる

LINE Payの活用:

LINE Payを導入すれば、顧客はLINEアプリ内で決済まで完結できるようになります。特に若年層を中心にキャッシュレス決済の需要は高まっているため、導入を検討する価値があります。

LINE Payのメリットは以下の通り:

  • LINEアプリ内で決済が完結し、UXが向上する
  • LINE Payボーナスなどのキャンペーンを活用できる
  • 決済情報とLINE公式アカウントの顧客データを連携できる

例えば、あるカフェでは「LINE予約+LINE Pay決済」の導入により、客単価が15%向上したという事例もあります。事前に注文・決済が完了しているため、追加オーダーがしやすくなったことが要因とされています。

これらの応用機能を活用することで、LINE公式アカウントはただのメッセージ配信ツールから、顧客体験を向上させる総合的なマーケティングプラットフォームへと進化します。次のセクションでは、運用を成功させるための具体的なポイントについて解説していきます。

6. 運用を成功させるためのポイント

LINE公式アカウントを開設し、基本機能や応用機能を設定したら、次は継続的な運用フェーズに入ります。せっかく作ったアカウントも運用が続かなければ効果は限定的です。ここでは、長期的に成果を出し続けるための運用ポイントを解説します。

友だちを増やすための工夫(QRコード・SNS・店頭POP活用)

LINE公式アカウントの効果を最大化するためには、まず友だち数を増やすことが重要です。以下に効果的な友だち獲得方法をご紹介します。

1. 実店舗での友だち追加促進:

  • 店頭POPの設置 レジ周りや入口など目立つ場所にQRコード付きのPOPを設置しましょう。「友だち追加で○○プレゼント」など、特典を明示すると効果的です。
  • スタッフからの声掛け 会計時などにスタッフから積極的に声掛けすることで、友だち追加率は大幅に向上します。特典の内容もあわせて伝えるとさらに効果的です。
  • レシートへのQRコード印字 レシートにQRコードを印字できる場合は、特典内容と合わせて印字しておくと、帰宅後でも追加してもらえる可能性が高まります。

2. オンラインでの友だち追加促進:

  • 自社サイトへのボタン設置 公式サイトのトップページや各ページのフッターなど、目立つ位置に友だち追加ボタンを設置しましょう。
  • SNSでの告知 InstagramやX(旧Twitter)、Facebookなど他のSNSでLINE公式アカウントの存在と特典を定期的に告知しましょう。
  • メールマガジンでの案内 既存のメールマガジン読者に対して、LINEへの誘導を行うのも効果的です。「より早く情報を受け取れる」などのメリットを伝えましょう。

3. 友だち追加のインセンティブ設計:

  • 初回限定クーポン 友だち追加時に自動送信される初回限定クーポンは、最も効果的なインセンティブの一つです。通常よりも特典を厚くすることで追加率が向上します。
  • 限定情報の提供 「LINE友だち限定の情報」や「一般公開より先に情報が届く」といった特典も有効です。
  • 紹介キャンペーン 「友だちを紹介して両者にクーポンプレゼント」といった形で、既存の友だちから新規友だちを増やす仕組みも効果的です。

ある美容室では、「友だち追加+来店でヘアケアサンプルプレゼント」というキャンペーンを実施し、2ヶ月で友だち数が2倍になったという事例もあります。

効果測定の方法(分析ツールの活用)

LINE公式アカウントの運用効果を把握するためには、定期的な効果測定が欠かせません。何となく運用するのではなく、数字に基づいた改善を行うことが成功の鍵です。

1. LINE公式アカウント内の基本指標:

  • 友だち数推移 日々の友だち数増減を把握し、増加施策や離脱防止策を検討しましょう。
  • メッセージ開封率 配信したメッセージがどれだけ開かれているかを測定します。平均80%以上であれば良好と言えますが、70%を下回る場合は内容や配信頻度の見直しが必要です。
  • クリック率(CTR) メッセージ内のリンクがどれだけクリックされているかを測定します。商品やクーポンへの関心度を図る指標になります。
  • クーポン利用率 配布したクーポンの利用率を測定します。クーポンの内容や有効期限の設定が適切かどうかを判断する材料になります。

2. 外部指標との連携:

  • 来店数・売上との相関 LINE配信日と来店数・売上の相関を分析することで、実際のビジネス効果を測定できます。
  • 顧客単価の変化 LINE経由の顧客とそうでない顧客の単価を比較することで、LINEの効果を測定できます。
  • リピート率の変化 LINE友だちと非友だちのリピート率を比較し、LINEがリピート促進に寄与しているかを確認しましょう。

3. 活用すべきツール:

  • LINE公式アカウントマネージャー 基本的な分析機能は標準で提供されています。友だち数推移、メッセージ配信結果などが確認できます。
  • Googleアナリティクス連携 LINEからWebサイトへの流入を計測することで、集客効果を測定できます。UTMパラメータを活用しましょう。
  • POSシステムとの連携 可能であれば、クーポンコードとPOSシステムを連携させ、LINEからの来店・購入を正確に計測するのが理想的です。

データを定期的に確認し、「このメッセージは開封率が高かった」「このクーポンは利用率が低かった」などの気づきを次回の施策に活かしていくことが重要です。

継続的に運用するためのコツ(定期的な投稿&PDCAサイクル)

LINE公式アカウントの運用を長続きさせるためには、無理のない運用体制と継続的な改善が欠かせません。以下に、継続運用のためのポイントを紹介します。

1. 運用体制の整備:

  • 担当者の明確化 「誰が」「何を」「いつまでに」行うのかを明確にしておきましょう。曖昧にしておくと、次第に運用がおろそかになります。
  • 運用カレンダーの作成 年間、月間の配信スケジュールを事前に決めておくことで、計画的な運用が可能になります。季節イベントや定休日なども考慮しましょう。
  • コンテンツストックの準備 配信ネタに困らないよう、定番の配信内容(季節の挨拶、キャンペーン告知など)をストックしておくと安心です。

2. PDCAサイクルの実践:

  • Plan(計画) 配信目的、内容、タイミング、KPI(開封率、クリック率など)を事前に設定します。
  • Do(実行) 計画に基づいてメッセージを配信します。この際、A/Bテスト(異なる文面で効果を比較)を行うのも効果的です。
  • Check(評価) 配信結果を分析し、目標達成度を確認します。前述の効果測定の方法を活用しましょう。
  • Action(改善) 分析結果を踏まえ、次回の配信に向けた改善点を洗い出します。成功事例は継続し、うまくいかなかった点は修正しましょう。

3. モチベーション維持のコツ:

  • 小さな成功体験を積み重ねる いきなり大きな成果を求めず、まずは「開封率を上げる」「クーポン利用率を上げる」など、小さな成功体験を積み重ねましょう。
  • 成功事例の社内共有 「LINE配信後に10名が来店した」など、成果を数字で見える化し、社内で共有することでモチベーションが高まります。
  • お客様の声を集める 「LINEを見て来ました」「クーポンありがとう」などのお客様の声を集め、運用の励みにしましょう。

ある飲食店では、毎月第1週に「おすすめメニュー」、第2週に「スタッフ紹介」、第3週に「お客様の声」、第4週に「限定クーポン」という配信サイクルを確立し、2年以上継続運用に成功しています。このように、無理のないペースで続けられる仕組みを作ることが長期運用の秘訣です。

運用を継続させ、PDCAを回し続けることで、LINE公式アカウントは徐々に強力な集客・販促ツールへと成長していきます。次のセクションでは、これまでの内容を総括し、LINE公式アカウント運用の未来について考えていきましょう。

7. まとめ|LINE公式アカウントを活用して売上アップを目指そう

ここまで、LINE公式アカウントの開設方法から基本機能、応用機能、そして効果的な運用ポイントまで幅広く解説してきました。最後に、これまでの内容を振り返りながら、LINE公式アカウント活用の要点をまとめていきましょう。

設定の見直し&運用改善を続ける重要性

LINE公式アカウントは、一度設定して終わりではなく、継続的な改善が成功の鍵となります。特に以下の点を定期的に見直すことが重要です。

1. プロフィール設定の見直し:

アカウント名、プロフィール文、アイコン画像、カバー画像など、お客様が最初に目にする要素は、ブランドイメージの変化や季節に合わせて定期的に更新しましょう。特にカバー画像は、キャンペーンや季節に合わせて変更することで鮮度を保てます。

2. リッチメニューの最適化:

友だち数が増えてきたら、どのボタンがよく使われているか、あまり使われていないボタンはないかを分析し、レイアウトや内容を見直しましょう。例えば、クリック数の少ないメニューは位置や表現を変えるなどの工夫が必要です。

3. メッセージ内容と配信頻度の調整:

開封率やクリック率のデータを基に、どのような内容が喜ばれているかを分析し、配信内容を最適化しましょう。また、配信頻度も「多すぎる」「少なすぎる」と感じさせないよう、データに基づいて調整することが大切です。

4. 新機能への対応:

LINEは常に新機能が追加されるプラットフォームです。例えば、近年では「ミニアプリ」「LINE VOOM」など新たな機能が追加されました。こうした新機能もいち早く取り入れることで、お客様に新鮮な体験を提供できます。

運用改善を続けるコツは、「データに基づく判断」と「顧客視点での考察」のバランスです。数字だけに囚われず、「お客様が本当に求めているものは何か」という視点を常に持ちながら改善を続けることが成功への道です。

まずは基本機能から始めよう

ここまでさまざまな機能や活用法を紹介してきましたが、すべてを一度に始める必要はありません。LINE公式アカウントの運用で大切なのは、「継続」と「段階的な進化」です。

1. まずは基本機能を確実に押さえる:

  • プロフィール設定を丁寧に行う
  • あいさつメッセージを設定する
  • 基本的なリッチメニューを作成する
  • 月1〜2回程度のメッセージ配信を行う

これだけでも、お客様とのつながりを作る第一歩となります。運用に慣れてきたら、少しずつ機能を追加していきましょう。

2. 段階的に発展させる例:

  • 【STEP1】基本機能の設定とメッセージ配信
  • 【STEP2】クーポン配信とLINE VOOMでの情報発信
  • 【STEP3】タグ機能を活用したセグメント配信
  • 【STEP4】ステップ配信や外部システム連携

小さな成功体験を積み重ねながら、少しずつ高度な活用へとステップアップすることで、持続可能な運用が可能になります。

3. 身の丈に合った運用を心がける:

店舗規模や業種、担当者のリソースに合わせた運用計画を立てることが重要です。「業界の他社がこうしているから」という理由だけで無理な運用を行うと、続かなくなる恐れがあります。

例えば、小規模店舗なら週1回の配信から始め、徐々に頻度を上げていく。人手が限られる場合は、基本的な定型メッセージを事前に作成しておく。など、自分たちのペースで続けられる運用を心がけましょう。

LINE公式アカウントは、正しく活用すればビジネスの成長に大きく貢献するツールです。急がば回れの精神で、基本をしっかり押さえながら、少しずつ運用レベルを上げていくことが成功の秘訣です。

今日から始めるLINE公式アカウント。お客様とのつながりを深め、ビジネスの発展につなげていきましょう。LINE公式アカウントは、あなたのビジネスを次のステージへと導く強力なパートナーとなるはずです。