TripAdvisorとは?|インバウンド集客に強い3つの理由

インバウンド需要が高まる中で、TripAdvisor(トリップアドバイザー)は、外国人観光客を呼び込むための非常に強力なツールとなっています。特に飲食店やカフェ、小規模宿泊施設にとって、無料で登録でき、かつ世界中のユーザーにリーチできるという点は、大きな魅力です。

ここでは、なぜTripAdvisorがインバウンド集客において「必須」と言われているのか、その理由を3つの視点から解説していきます。


訪日外国人が信頼する世界最大級の口コミサイト

TripAdvisorは、世界中で8億件以上の口コミを保有し、月間利用者は4億人を超える世界最大級の旅行者向けレビューサイトです。旅行者がレストランや観光施設を選ぶ際、最も参考にするのが「実際に訪れた人の口コミ」です。

特にアメリカやヨーロッパの観光客にとって、TripAdvisorは旅行時の必携アプリ。Google検索よりも先に、TripAdvisorで「近くのレストラン」や「おすすめスポット」をチェックするのが習慣になっている方も多いです。つまり、TripAdvisorに店舗情報が掲載されていなければ、その時点で候補から外れてしまう可能性すらあるのです。


欧米・東南アジア観光客のTripAdvisor利用傾向

アメリカやイギリス、フランス、ドイツなどの欧米圏の旅行者は、TripAdvisorを日常的に活用しています。また、シンガポールやマレーシア、タイ、フィリピンといった東南アジア圏でも、TripAdvisorは旅先での定番アプリとして定着しています。

彼らに共通しているのは、「英語で情報を得られること」を重視している点です。日本語だけで書かれた店舗ページでは、せっかくリストに表示されてもスルーされてしまうことも少なくありません。TripAdvisorを通じたインバウンド集客には、「英語を含む多言語での情報整備」が不可欠なのです。


GoogleマップやYelpとの違いとは?

TripAdvisorは、GoogleマップやYelpと比較されることも多いですが、その役割と使われ方には大きな違いがあります。

Googleマップは「ローカル検索」が中心。日常使いのユーザーが多く、観光目的の情報が探しづらいこともあります。Yelpはアメリカを中心としたサービスで、日本国内ではまだ利用者が限られています。

一方、TripAdvisorは「旅行者向け」に特化しており、観光地・レストラン・ホテルなどにフォーカスした設計がなされています。そのため、訪日観光客が「旅の中で訪れたい場所」を探す際、TripAdvisorの情報が非常に参考になるのです。旅行者の来店動機を高めるには、TripAdvisorでの見え方を最適化することがカギを握っています。


TripAdvisorオーナー登録方法|公式フロー&失敗しないコツ

TripAdvisorは無料で店舗を登録でき、全世界の旅行者にアプローチできる貴重なプラットフォームです。ですが、「登録方法がわかりにくい」「認証が通らない」といった声も多く聞かれます。

ここでは、TripAdvisorへのオーナー登録方法をわかりやすくステップごとに解説し、つまずきがちなポイントやトラブル時の対処法までカバーします。


ステップ解説:TripAdvisorの無料登録からオーナー確認まで

まずTripAdvisorに登録するには、「オーナー登録ページ」へアクセスすることから始まります。公式サイトのトップページ右上にある「オーナー登録」をクリックすると、ビジネス登録画面に進みます。

ステップは以下の通りです。

  1. 自店舗を検索する まず、自分の店舗がすでにTripAdvisor上に登録されていないか確認します。仮に過去の訪問者によってすでにページが作られている場合は、そのページに対してオーナー申請を行います。
  2. 新規登録の場合はビジネス情報を入力 店舗名、住所、電話番号、公式サイト、業態(レストラン、カフェ、バーなど)を入力します。この情報は英語でも記載しておくと外国人に対しても伝わりやすくなります。
  3. 本人確認(オーナー確認) オーナーであることの確認方法としては、「電話認証」「クレジットカード認証」「公的書類の提出」などの方法があります。電話認証が最も簡単で、店舗にかかってきた自動音声のPINコードを入力するだけで完了します。
  4. 承認後、オーナーセンターにログイン 承認されるとオーナー専用の「オーナーセンター」にログインできるようになり、口コミの管理、写真の投稿、営業時間の編集などが行えるようになります。

必要な書類・情報まとめ|店舗情報・カード・写真など

スムーズに登録を進めるために、あらかじめ用意しておくと便利な情報は以下の通りです。

  • 店舗名(日本語・英語)
  • 正確な住所(Googleマップと一致させること)
  • 連絡先(電話番号・メールアドレス)
  • ウェブサイトURL(あれば)
  • 業態と提供しているサービス内容
  • 写真(店舗外観、内観、料理の写真など5〜10枚)
  • オーナー確認用の書類(法人名義の請求書や公共料金の支払い明細など)

写真は後述の「集客のコツ」の章でも詳しく紹介しますが、第一印象を左右する非常に重要なポイントです。ブレていたり、暗い写真は避け、プロのようなクオリティで魅力を伝えましょう。


登録できない原因と対策|よくある3つのつまずき

登録時に多くの人が悩むのが「申請したのに通らない」「店舗が見つからない」「オーナー認証ができない」といったトラブルです。主な原因とその対策を紹介します。

1. 店舗情報がGoogleマップと一致していない

→ 住所表記や地名の表記揺れ(例:「1-2-3」と「1丁目2−3」)があると、TripAdvisor側で照合エラーが発生します。Googleマップと完全に同じ住所にそろえましょう。

2. オーナー確認の電話が受けられない

→ 営業時間外に認証を試みている場合、自動音声がつながらないことがあります。営業中の時間帯に再試行しましょう。また、店舗に出るスタッフにあらかじめ「PINが届く」と共有しておくとスムーズです。

3. すでに他の人がオーナー申請している

→ 以前のオーナーや元スタッフが管理者として登録されていることがあります。その場合、TripAdvisorサポートに連絡して管理権限の譲渡を依頼する必要があります。


登録自体は難しいものではありませんが、「正確な情報入力」と「タイミングを逃さない確認手続き」が成功のカギです。しっかりと準備して臨むことで、無用なトラブルを避け、スムーズに世界への扉を開くことができます。


TripAdvisorで海外からの予約・来店を増やす7つのコツ

TripAdvisorへの登録は、あくまでスタート地点にすぎません。本当に成果につなげるためには、ページを魅力的に見せ、海外の旅行者の「ここに行ってみたい!」という気持ちを引き出す工夫が必要です。

ここでは、実際に外国人観光客の来店や予約につながった施策をもとに、TripAdvisorで集客力を高めるための7つのコツをご紹介します。


① 魅力が伝わる高品質な写真を掲載

TripAdvisorでは、写真がユーザーの第一印象を決定づけます。特に海外ユーザーは、料理のボリューム感や店内の雰囲気、清潔さなどを写真から判断する傾向が強いです。

以下のような写真を用意しましょう。

  • 料理のアップ(主力メニュー)
  • 店内の雰囲気がわかる広角写真
  • スタッフが笑顔で接客する様子
  • 外観や入口がわかる写真(見つけやすくなる)

画質が粗かったり、照明が暗かったりすると印象が悪くなります。可能であれば、スマホではなく一眼レフなどで撮影するのも効果的です。写真1枚で選ばれるかどうかが決まると言っても過言ではありません。


② 英語・多言語で説明文を整備しよう

TripAdvisorでは、店舗紹介文を自由に記載できます。この部分をしっかり「英語で」書いておくことが、外国人ユーザーへの信頼感を生むポイントになります。

例えば、「Authentic Japanese ramen with rich pork broth served in a cozy setting near Kyoto Station.」といった簡潔かつイメージしやすい文章が効果的です。

説明文はできれば以下の言語で用意できるとベストです。

  • 英語(最優先)
  • 中国語(簡体字・繁体字)
  • 韓国語

Google翻訳でもある程度は対応可能ですが、ニュアンスがズレていないか日本人スタッフと一緒に確認することをおすすめします。


③ 自然な口コミを促すオペレーション設計

TripAdvisorで評価を上げるには、良質な口コミが必要不可欠です。しかし「レビューを書いてください」と直接お願いすると、ポリシー違反になる恐れがあります。

代わりに、自然な形で口コミが生まれるような工夫を取り入れましょう。

  • 会計時に「Thank you! If you enjoyed your visit, we’d love your feedback on TripAdvisor!」と書かれたカードを渡す
  • 店内にQRコード付きの小さなポップを設置
  • 英語メニューの最後に「Please share your experience on TripAdvisor」の一文を添える

お客様が満足しているタイミングでそっと促すのがコツです。無理にお願いせず、「感じがよかったから書こうかな」と思わせる雰囲気をつくることが大切です。


④ 英語レビューには必ず丁寧に返信

TripAdvisorのレビュー欄は、店舗の「人柄」がにじみ出る場でもあります。英語で書かれたレビューには、ぜひ英語で返信しましょう。

返信例(ポジティブレビュー):

Thank you for your kind words! We’re glad you enjoyed the ramen and hope to welcome you again soon.

返信例(ネガティブレビュー):

We’re sorry your experience didn’t meet your expectations. We’ll share your feedback with our team to improve.

レビューに返信することで、他のユーザーにも「ここは丁寧に対応してくれそうだな」という印象を与えることができます。時間がない場合は、テンプレートを用意しておくと効率的です。


⑤ カテゴリ選定と人気タグで検索露出を高める

TripAdvisorでは、「寿司」「ラーメン」「ヴィーガン」などのカテゴリやタグをもとに検索結果が表示されます。ここにきちんと登録しておかないと、どれだけページを整備してもユーザーに見つけてもらえません。

例えば、ラーメン店なら「Ramen」「Japanese Food」「Casual Dining」など複数のカテゴリにチェックを入れましょう。また、人気のあるキーワードを説明文やタグに含めることで、検索アルゴリズムで有利になります。


⑥ GoogleビジネスやSNSと連携して導線強化

TripAdvisor単体だけでなく、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)やInstagramなどのSNSとの連携も効果的です。

  • 店舗のSNSやウェブサイトにTripAdvisorのリンクを設置
  • Googleマップ上の店舗情報にTripAdvisorへのリンクを貼る
  • Instagram投稿でレビューの一部を紹介し、TripAdvisorへ誘導する

ユーザーが複数の媒体で同じ情報を見かけると、信頼度が一気に高まります。これは「一貫性」と「安心感」を与える大切な要素です。


⑦ サービス改善で高評価レビューを積み重ねる

どんなにページを整備しても、実際の接客や料理の質が伴っていなければ、高評価は得られません。現場の体験が最も強力なマーケティングです。

  • スタッフの簡単な英語トレーニングを導入
  • 外国人のお客様に慣れるためのシミュレーション実施
  • 提供スピードや清潔感の改善に日々取り組む

TripAdvisorは「一度来た人の感想」が全てです。つまり、最も効果的な集客策は、目の前のお客様を感動させること。現場と連動したマーケティングこそが、集客の本質なのです。


注意点とリスク管理|トラブルを防ぎ継続的な運用を

TripAdvisorは確かに強力な集客ツールですが、運用にあたっては注意すべき点も存在します。ルールを知らずに運用を誤ると、意図せずペナルティを受けたり、逆にブランドイメージを損ねてしまうことも。ここでは、TripAdvisorを活用するうえで知っておくべき注意点と、リスクを避けるための具体策をご紹介します。


ネガティブレビューの返信と対応術

外国人観光客の中には、文化の違いや言語の壁で満足できなかったと感じるケースも少なくありません。そういった時に残される「★2」や「★1」のレビューは、他の見込み客に強い印象を与えてしまいます。

だからこそ、ネガティブレビューには必ず冷静かつ丁寧に返信しましょう。

悪い口コミへの返信は、内容以上に「どう対応しているか」が見られています。言い訳や反論ではなく、感謝と改善への意思を示すことで、店舗の誠実さを伝えることができます。

返信例:

Thank you for your feedback. We’re sorry your experience didn’t meet expectations. We value your opinion and will do our best to improve.

このような文面で対応するだけで、読んだ第三者が「このお店はしっかりしているな」と感じてくれるはずです。口コミは書いた本人だけでなく、それを見る他の旅行者に向けた「公開対応」でもあることを意識しましょう。


TripAdvisorガイドライン違反に注意

TripAdvisorには明確な運用ポリシーがあり、これを破るとアカウント停止やページ非表示といったペナルティを受けるリスクがあります。

特に注意すべき禁止行為は以下のようなものです:

  • 無償や割引と引き換えにレビューを依頼する
  • スタッフや知人による“ヤラセ投稿”
  • 競合店舗への否定的なレビューの依頼
  • 不正な通報で他店を攻撃する行為

知らずにやってしまっているケースもあるので、TripAdvisorの公式ヘルプセンターなどでポリシーを確認しておくことをおすすめします。

また、口コミが「不適切だ」と感じても、削除申請が通るかどうかはTripAdvisor側の判断になります。誠実な運用を心がけ、長期的な信頼を積み上げていく姿勢が何より重要です。


TripAdvisorは、正しく使えば非常に効果の高いツールです。しかし、裏を返せば「誤った使い方」はブランドの信頼を損なうリスクもあるということ。ルールを理解し、正しい運用と日々の対応を積み重ねることが、継続的なインバウンド集客の土台になります。


まとめ|TripAdvisorを味方につけ、インバウンド集客を成功させよう

TripAdvisorは、単なるレビューサイトではありません。正しく活用すれば、世界中の旅行者にあなたの店舗を知ってもらい、予約や来店につなげることができる「国際的な看板」となるツールです。

本記事では、TripAdvisorの基本的な特徴や登録方法、そして実際の集客につながる施策を7つのコツとしてご紹介してきました。大切なのは、ページの整備だけでなく、リアルな店舗体験と連動させること。どれだけ綺麗に見せても、実際の体験に裏付けがなければ、リピーターも高評価も生まれません。

一方で、正直で丁寧な運用を心がければ、口コミが口コミを呼び、自然と集客が加速していきます。英語での対応に不安があっても、写真や笑顔、サービスの質があれば、言葉を超えて伝わる魅力は必ずあります。

訪日観光客の数が再び伸びている今だからこそ、TripAdvisorの可能性を改めて見直し、世界に向けて自店の魅力を発信してみてください。最初の一歩は、意外と簡単な「無料登録」から始まります。あなたの店が、次の「外国人に選ばれる名店」になる日も遠くありません。